Vol.82「日経平均2万円時代に突入!?」

直近の新規IPOがない中で、日経平均株価が久々に2万円台乗せを果たしメディアでもこのことが取り上げられるため、投資家心理の向上が想定される先週末から今週にかけての株式相場です。ここに来ての株価上昇はNYダウやNASDAQの高値更新が背景になっていると考えられますが、それに連れて日本株を代表する株価指数である日経平均の出遅れ感が業績向上見通しとともに高まったことが考えられます。値段だけが上がって株高の実感が伴わない中で日経平均2万円台が定着するかどうかも含め、投資家の関心の高まりが感じられますが、早くも次の目標が議論されているようです。半島情勢の不透明感が高まった4月に1万8200円台の安値をつけた日経平均は昨年末から年初にかけ筆者も含めて多くの専門家が予想した22000円から23000円に向けた展開が始まったという声が高らかに市場では響き渡っているように思われます。もちろん相場のことだけに強気の声は掛け声だけに終わることだってありますので、慎重に見ている投資家もまだ依然として多いだろうという点は否定できませんが、一つの心理的な側面である壁を突破したことだけは事実です。そして次は当然のごとく2015年6月の高値20952.71円が自ずと意識されることになります。

何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」の例え通り、相場にも上にも下にも行き過ぎはつきもの。ここから先の株式相場は強気の声に耳を傾けつつ、万が一の出来事にも備える必要があるという感触を持ちながら一歩前に進む勇気が必要となると筆者は考えます。また、日経平均が2万円台に乗ったからと言って投資家の皆さんの資産が本当にそれに連動して増えているのかは各投資家のポートフォリオの中身次第で多少異なっているものと推察されます。それは銘柄次第ではありますが、先週末は日経平均の上昇が見られる一方でマザーズやJASDAQなどの中小型株指数は利益確定売りに多少値を下げたことで理解されます。とは言え、日経平均の上昇に連れて直近のIPO銘柄や6月のIPO銘柄にも関心が高まるものと期待されます。なお、前号において6月に予定されているIPOを6銘柄としましたがその後、GameWith(6552・マザーズ)が追加され7銘柄となりました。本号で訂正しておきます。

IPO銘柄の多くは上場直後に高値をつけその後、調整を余儀なくされるケースが多いのですが、その背景として考えられますのは、①全体相場の先行きが不透明、②その企業の業績が上場前の想定を下回ってしまった、③業績は比較的堅調で一般的な尺度で割安感があるものの投資家に業態や未来の成長が理解されずにいる、④業績は良くても株価に割高感がある、⑤IR活動への関心が薄いか意識がないといったことが考えられます。②や④は致し方ないとしても事業内容を吟味して将来性や現状の株価に割安感のある銘柄には日経平均2万円時代突入の中で大いに投資チャンスがありそうです。

2017年6月5日 東京IPOコラムニスト 松尾範久