東京IPOトップインタビュー:アセンテック(3565・東マザ)

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アセンテック株式会社(東証マザーズ:3565)

事業内容

  • 仮想デスクトップや仮想インフラソリューション関連製品・サービスを提供
  • 仮想デスクトップとシンクライアントで自社オリジナル製品を投入
  • 企業のテレワーク推進を情報セキュリティと利便性の面で徹底サポート

3565

↑代表取締役社長 佐藤 直浩

社長の素顔

1958年7月8日生まれ。東京都出身。

半導体のカスタムLSIの技術営業でキャリアをスタート。IBMPCのロジックに精通していたことから日本IBMへ。日本IBMでは19年勤務し、事業部長も務めた。後にアセンテック前身の会社に社長就任。現在に至る。

佐藤社長は「企業のインフラは必ず仮想デスクトップやシンクライアントの方向に行く」と睨み、「シリコンバレーの技術者やIT起業家との繋がりが非常に重要」と、世界の最先端技術に目を光らせる。

2009年の独立以降、資金も信用も知名度もない会社を受け入れてもらうために必要な行動パターンを自身の過去35年のB2Bビジネスから見出した。同社社員には「チームワーク」「即応性」「スキル」「フェアネス」「コスト意識」という5つのコミットメントを記した名刺サイズのカードを持たせている。


ココに注目!!

  • 働き方改革に向けた「テレワーク」推進により、仮想デスクトップの需要増加
  • 世界の技術系経営者とのネットワークにより、最先端の技術を発掘し、日本へ導入 
  • セキュリティ、利便性、コストを考えた自社オリジナル製品が好調

 

——— 事業と強みを教えてください。

インターネットの普及により、サイバー攻撃やウイルス感染などに対する情報セキュリティ対策はますます重要になっています。そういった中、弊社では、情報セキュリティや利便性、維持・導入コストに対する課題を解決すべく、仮想デスクトップ並びに仮想インフラソリューション関連製品やサービスを法人のお客様に提供しております。

弊社のビジネスは、主に「仮想デスクトップ」「仮想インフラ及びストレージ」「プロフェッショナルサービス」「クラウドサービス」の 4つの事業領域があります。

「仮想デスクトップ」と「仮想インフラ及びストレージ」は、ユーザが手元のパソコンやiPadを使って、クラウド上のデータにセンターにアクセスして仕事し、ユーザの端末にはデータが一切残らない仕組みです。

私は普段からiPadを使うことが多く、画面上に仮想デスクトップのアイコンを設置しています。アイコンをタップすると、すぐにWindowsが立ち上がります。パワーポイントでプレゼンテーションをしたり、資料を修正したり、メールをチェックしたりといったことが支障なく行えます。もちろん、アクセスしているのは私のiPad内ではなく、仮想デスクトップで接続しているクラウドのサーバーに保存されているデータです。

最近のニュースで話題の在宅勤務や人材雇用を促進する「テレワーク」には不可欠なインフラとして、仮想デスクトップを導入する企業のお客様は増えています。

また、情報漏洩や盗難事故による「情報セキュリティ問題」や、災害発生時におけるデータ消失による「事業継続問題」などへのソリューションとしても評価をいただいております。従来は、セキュリティを強化すると使い勝手が悪くなるという課題があったのですが、弊社のソリューションは「セキュリティ」と「利便性」の両方を兼ね備えている点が特長です。

「プロフェッショナルサービス」では、仮想デスクトップを導入するにあたってのコンサルティング、設計・構築、保守・運用まで一貫したサポートを提供しております。「クラウドサービス」では、自社でITインフラを所有せず月額で利用可能な仮想デスクトップをクラウドで提供しております。

——— 自社オリジナル製品に注力されています。

弊社では現在2つの製品ラインアップを展開しております。

ひとつは「Resalio Lynx (レサリオリンクス)」というUSB型のソフトウェアで、既存のWindowsパソコン をシンクライアント化します(シンクライアントとは、ハードディスクを内蔵せず仮想デスクトップ環境での利用に適した端末のこと)。手元のパソコン上には一切データは残りませんし、ハードディスクを上書きすることもありません。パソコンのスペックが古くてもサクサクと動きます。

安全なウェブサイトしかアクセスできず、ウイルス感染も防ぎます。たとえパソコンがウイルスに汚染されていても、「Resalio Lynx」は、お手元のパソコンに内蔵されたハードディスクを遮断しますので、シンクライアント化された環境下で安全にご利用いただけます。不正送金の防止にも役立つため、金融機関での採用が進んでいます。

もうひとつは、2017年から本格的に販売を開始した「リモートPCアレイ」です。コンピューターを論理的に仮想化するソフトウェアを不要とする、いわば「物理的な仮想デスクトップシステム」です。1台のコンピューターを論理的に人数分に分割するのではなく、パソコン1台に対して仮想デスクトップが物理的に1台割り当てられる。

私がスペックを書いて、台湾のAtrust社に製造と設計をお願いした製品です。Atrust社はスマホメーカーのHTCの共同創業者のH.T. Choさんが創業した会社です。H.T. Choさんご自身がエンジニアで、デザインレビューから、製品化の最終段階でもデザイン変更をするほど、こだわってくださった。

セキュリティ強化に加え、消費電力、コスト、パフォーマンスもいい。大手企業様が他社に先駆けて弊社オリジナル開発品の「リモートPCアレイ」を導入してくださったのは、非常に意義深い。ご注文や引き合いが増えている製品です。

——— どのように世界のハイエンドな製品や最先端技術を見つけるのでしょうか?

世界には何人かのキープレイヤーがいます。彼らの動向を追うために「LinkedIn(リンクトイン)」と言う人脈管理に便利なソーシャルメディアを役立てています。誰がどこの会社に移ったかがわかる。その移籍先の技術が面白ければコンタクトして日本展開を打診します。

「こういう技術がある面白い会社なんだ」と、最先端の技術を知る人物から直接話を聞くことができるのです。私には、エンジニアと言うよりもマネージメントクラスとの人脈があります。彼らの目利きにアンテナを張っているわけです。

——— 個人投資家様へのメッセージをお願いします。

弊社は企業をお客様とするビジネスですので、派手な広告戦略などはいたしませんが、世界の最先端の技術動向を見据えた上での新製品開発や、既存のソリューションではできなかった課題解決のほか、お客様が導入しやすい価格の提示にチャレンジしてまいります。地道にかつ大胆に、仮想デスクトップの普及を進めてまいります。

先進国のトレンドからも、国内全ての企業が仮想デスクトップやシンクライアントといった技術を採用し、インフラのスタンダードになるだろうと見込んでいます。今以上に普及は加速するものと考えております。

弊社は、そのために必要な製品開発をはじめ、海外の最先端技術を日本に導入する取り組みを推進してまいります。仮想デスクトップ市場の伸び以上に、弊社の技術開発力を伸ばしていきたいと思っております。


(掲載日 2017年8月23日)