東京IPOトップインタビュー:(株)ロコンド(3558・東マザ)

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株式会社ロコンド(2017年3月7日上場/東証マザーズ:3558)

  • 自宅で試着も返品も無料の靴や洋服のEC事業を展開
  • 在庫管理や生産性向上を図るITと物流を統合するプラットフォームを構築
  • ブランドを買い取り自主ブランドとしてリアル店舗とEコマースで販売

3558

↑代表取締役社長 田中 裕輔

社長の素顔

1980年12月5日生まれ。大阪府出身。

「海に魔物はいない」— 田中社長が、社員や次世代に伝えている言葉だ。コロンブスの時代は、海には危険な魔物がいると考えられており恐れられていた。しかし、実際に航海に出てみると魔物などおらず、新大陸を発見することができた。田中社長が経営者として経験してきたことがこれに通底する。

「出来るところまでとことんやる。それでも出来ない部分だけはその道のプロに頼めばいいが、初めから丸投げはしてはいけない」と、社員に挑戦を促す。勝手に出来ないと決め込む姿勢を良しとせず、固定概念を取り除く。「弊社は業界二番手。どんどん先手を打って勝負していく。そのためには航海する開拓精神を育てることが大事」と、Eコマースに新風を巻き起こし続ける気概が田中社長からうかがえる。


ココに注目!!

  • 自宅で試着も返品も無料の「LOCONDO.jp」に人気ブランドが続々登場、LOCOLET(アウトレット)、LOCONDO sports(スポーツ・アウトドア)も展開 
  • 店舗の欠品を解決する「LOCOCHOC」をはじめ、物流面でのサポートを拡充
  • スペインのファッションブランド「MANGO」を第一号として、自主ブランドを展開。リアル店舗との相互作用でEC化を加速

 

——— 事業と強みを教えてください。

弊社は大きく分けて3つの事業があります。1つ目はEC(電子商取引)事業で、靴にはじまりバッグから洋服とジャンルを拡充する「LOCONDO.jp」と楽天市場やYahoo! Shoppingに展開するロコンド公式ストア「LOCOMALL」があります。一部を除き、交換も返品も無料。自宅で試着して気に入ったらお買い求めいただけるというモデルです。

2つ目はプラットフォーム事業として、ECとリアル店舗を統合管理できるよう、ITと物流が連携するプラットフォームを展開しています。ブランド様のオフィシャルサイトを構築し、リアル店舗を含めEコマース全般を受託支援します。現在、約20のブランド様を担当させていただいております。この他、リアル店舗への出荷・返品も受託する倉庫受託サービスや、店舗で欠品していてもお客様には店舗でお支払いいただき、ロコンド倉庫から店舗のお客様へ直送するサービス「LOCOCHOC」もございます。こちらは百貨店向けにも展開しており、現在約500店舗に採用いただいてます。

3つ目はリアル店舗含め、自社ブランド(買取型)として推進する事業で、第一号としてスペイン発のブランド「MANGO」を取り扱っています。

弊社では、EC事業において顧客企業の在庫管理の効率化や生産性向上を図るとともに、その先のお客様の満足度を高めることを目指すために、 IT面や物流面を包括的に連携させるオムニ戦略の展開を加速させております。

また、「急ぎません。便」をはじめ、お買い物をされるお客様が配送方法を柔軟に選べるメニューをご用意しています。昨今、深刻化する物流問題において、一つの解決策として社会への貢献につながればと考えております。

——— 「靴のECサイト」からプラットフォーム、自主ブランドへ展開した背景とは?

ひとえに主軸であるEC事業を強化するために必然的な選択肢だったと思います。プラットフォーム事業やオムニ戦略が功を奏し、ロコンドで取り扱う製品在庫が増える。3つの事業が相互に補完し合うために、それぞれを成長させていく戦略と言えます。

交換無料、返品無料というサービスを提供しておりますが、EC事業者として差別化というなれば、そこに付加価値がなければいけない。プラットフォーム展開や自主ブランドを持つことは、まさにそれにあたります。

損益分岐点は年間売上高100億円。容易く黒字化できるビジネスモデルではないことは、事業に参画した時から覚悟していました。黒字化を実現したことそのものが、他社への大きな参入障壁になっていると考えています。

 ——— Eコマース事業の経営をすることになった経緯とは?

マッキンゼー在籍中にカリフォルニア大学バークレー校に留学していた頃、シリコンバレーで活躍する起業家と話をする機会に恵まれました。

そこでの出会いの中でも、私が影響を受けた人物がザッポスという靴のEC事業を立ち上げた起業家でした。彼らは自宅で試着ができて返品ができるビジネスモデルの先駆者であり、それを「Delivering happiness」(幸せを届ける)という言葉で表現したのです。

モノを店舗で売るかオンラインで売るかの違いというよりも、例えば、仕事から帰ったあとに、ゆっくりと自分のワードローブに合わせて楽しむといった、モノを買うことにエンターテイメント性を付加することができるのです。彼の話を聞いて、実際に私もザッポスで商品を買ってみました。開眼でしたし、 Eコマースを始めたいという気持ちも生まれました。何よりも、ザッポスという会社の理念に共感できたことが、現在につながっているのだと思います。

どうして靴のEコマースなのかというと、「靴はお店で試着して購入するのが当たり前」と思われがちですが、実は、靴というのは色のバリエーションやサイズなど店舗で十分な在庫を揃えておくことが難しい商品なのです。体積が大きいこともその理由の一つです。ですから、皆さんがお店で試着をしても、欲しいサイズや好きな色が欠品しているということがあるのです。

靴のフィット感は試着しないとわかりませんし、自分のワードローブに合うかどうかも大事なポイントです。インターネットで注文して、自宅での試着も返品も無料でできるお買い物スタイルはこれから益々定着していくと考えられます。

——— 個人投資家様へのメッセージをお願いします。

株主優待として「LOCONDO.jp」でご利用いただける 2,000 円分のクーポンを年に2回お送りするという発表をさせていただきました。是非、そのクーポンをお使いいただき、自宅での試着も返品も無料でできる楽しさを実際にご体験いただければ幸いです。

上場時には黒字転換を果たしておりますし、靴をはじめとするファッションの世界でのEC化は、今後ますます加速することが期待されます。こうした背景から、弊社の成長につきましても、ご期待いただくと同時に、ご指導ご鞭撻を賜りたく存じます。


(掲載日 2017年10月11日)

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