東京IPOトップインタビュー:(株)フィル・カンパニー(3267・東マザ)

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株式会社フィル・カンパニー(2016年11月18日上場/東証マザーズ:3267)

  • コインパーキングの上部空間を活かした「空中店舗」を企画、開発、運営、管理に至るまで、ワンストップで提供
  • 不動産投資の常識を覆す圧倒的な短期回収を実現

3267

↑代表取締役社長 能美 裕一

社長の素顔

1974年4月6日生まれ。石川県出身。

「5年以内に独立起業する」という目標を持って最初に就職したのは自動車流通ベンチャー。業種・業界を選ばず、一貫してベンチャー・新規事業に携わってきた。出来ないという先入観を打ち砕き、新しい市場を切り拓く「発想を具現化する経営スタイル」で奮闘する。

「プロフェッショナルでありたいし、プロフェッショナルであり続けたい。プロフェッショナルとは向上心の塊だから。」と話す。個々の能力を最大限に発揮するためのチームワークを重んじ、切磋琢磨し合えるチームに同社を育て上げた。

「常に次の時代を見据えなければいけない。その上で今をイメージしないとお客様を幸せにできない。」社員一人一人に「自分自身が買いたいと思える商品・サービスであるか」を問い続け、顧客第一主義を徹底する経営を心がけている。


ココに注目!!

  • 駐車場オーナーや投資家に空中店舗「フィル・パーク」を提案、表面利回り平均20%を実現
  • コインパーキングの駐車台数を減らすことなく空中店舗で追加収入
  • 時代に合った土地活用方法を提案し、人の流れを生み出すモデルが好評

 

——— 5年後の独立を目指した新人時代

「社長になりたいと漠然と思うようになったのは、起業や経営が何なのか、右も左もわからない中学2年生の頃でした」と、現在に至るまでのエピソードをこう切り出した。

1998年、新卒で就職したのは自動車流通ベンチャーで、面接時には「5年以内に独立起業する」と宣言していたという。当時はベンチャー企業に就職するのは賢い選択ではないと周囲からは反対の声が止まなかったが、ベンチャーばかりを志願した。それでも、面接を申し込むと「新卒は受け付けてない」とけんもほろろというベンチャー企業も少なくなかった。

自動車流通ベンチャーでは、まだインターネットを活用したビジネスが確立していなかった時代にも関わらず、WEBを活用して見込顧客を取り込むマーケティングで新規事業を大成功させた。その後、2000年には「5年以内の独立起業宣言」通り、ネット系ベンチャーを起業したものの立ち行かなくなり、早々に会社を売却した。また、リラクゼーションベンチャーとして出発した株式会社リラク(現:株式会社メディロム)では、リラクゼーション施設の立ち上げからチェーン展開までの礎を築く等、常務取締役として奔走した経歴も持つ。

「リラクゼーションビジネスも当然やったことはありませんでした。もともと僕は新しいことへの挑戦がとても好きで、商材へのこだわりがないというか、寧ろ、やったことのないことの方が夢中になれるという部分を持っています。無理だとか難しいと言われると燃えるところもあります。一貫してベンチャー・新規事業に携わってきたので、アイデアがなかなか形にならないベンチャー企業を多く見てきました。そういった点では、アイデアを実行して社会に実装することの難しさと面白さを両側面から感じるようになっていました。不動産と建築を融合した全く新しい事業を行うフィル・カンパニーに出会ったのも、“新しいこと” だからこそ。難しい物事への挑戦がライフワークになりつつあったからだと思います」

20代の頃、ありがたいことに『東京IPO』のホームページを見てくれていたほど上場への憧れも強かったそうだ。

——— 商材をこだわらないからこそ、切り拓けた新しい不動産ビジネス

「新しい市場を生み出す時は、どれだけ参入障壁をつくっておくかも重要なポイントです」と能美社長は指摘する。

同社のコインパーキングの上部空間を活用した「空中店舗」というコンセプトを聞いた時に、ありそうなのになかったことに驚く人は少なくないのではないだろうか。同社のビジネスモデルの認知は業界で向上するものの、現時点では同社をおびやかす競合はいない。

その理由はいくつかある。一つは、オーナーが得られる表面利回りが平均20%(2013年12月~2016年11月竣工分、同社調べ)であること。不動産投資を5年〜10年で回収できるという提案は無理だと考えられてきたが、同社はそれを覆した。オーナーへの企画提案、設計、運営、管理までワンストップで手がけることで、スピードを維持しながら無駄を徹底的に排除する。

もう一つは、都心部の駅から徒歩5~6分など好立地にありながらも、大通りから少し奥まった立地にある30坪程度のコインパーキングに着目している点が挙げられる。人通りのある昼間はいいが、夜間は暗くさみしい場所がほとんど。こうした立地に商業施設を設けようという発想はなかなか生まれない。消防法や建築基準法をクリアした上で、駐車台数をできるだけ減らさずに空間を活かすノウハウが同社の強みだ。

国内にコインパーキングは6万か所以上あるといわれている。同社が手がける空中店舗「フィル・パーク」は100か所を超えたところ。まだまだ展開の余地がある。駐車場オーナーへの土地活用だけではなく、投資家向けにも資産運用として受け入れられている。

「ここまでこれたのは企業努力につきます。事業拡大フェーズに入り、これまでもこの先も勝負は続きます」と能美社長は語気を強める。

——— デフレモデルに勝算あり

2008年のリーマンショックは多くの企業に打撃を与えた。同社もしかり。ところが、半年も経つと、ある相談が寄せられ始めた。ちょうど能美社長が取締役として参画した時期に重なる。

「コインパーキングの駐車台数を減らすことなく土地活用ができるのか」

同社独自の「コインパーキングはそのままに空中店舗でも追加収入が得られる」モデルへの需要が顕在化した。これを機に、能美社長(当時、取締役)自らが、アイデア先行であったモデルを収益事業として成立するビジネスモデルへと転換するなど、経営改革を断行した。結果、2009年に会社が軌道に乗った。

「上場できたことは大きな信頼につながりました。2017年に100か所を超え、まだまだ増やしていけると考えています。100か所達成までに10年強の時間をかけた分、景気に左右されにくいモデルを構築することができた。先が見えない時代だからこそ、オーナーさんにとっては短期間で投資の回収ができることが重要です」

「もう一つ大事だと考えているのは、『フィル・パーク』の周りに『フィル・パーク』を増やしていくことです。新たな人の流れが生まれることにより、街が活気づく。その時代に適した街づくりに貢献していきたい」と、取材を締めくくった。

——— 社員とともに創り上げた社員共通の価値観「Phil‘s Sprit」

同社は、今の中心メンバーが事業を軌道に乗せ、拡大するフェーズに持ってくるまでに経験したことや考えたことを言葉にまとめている。コピーライターが書いたものではなく自分たちが考えた言葉だからこそ、投資家の皆様に伝えたいと、ここに原文を掲載したい。

<Phil’s Sprit>

“創造”それはフィルの本質。未来へと紡ぐべき大切なDNA。

我々は異能が多く集まる空間の住人である。お互いをリスペクトすることでベストパフォーマンスを演出し、結果に感謝するプロフェッショナルなチームを形成している。

我々は“みんなが出来ないと諦めていること”にこそ挑戦し“新しい常識”を創り上げる先駆者だ。我々の仕事はユーザーファーストを謳い、そのオーダーに応えるだけであってはならない。

サプライズとともに期待値を大きく超える圧倒的な価値を提供する。

そうでなければ、我々のチームが我々のチームたる所以はない。

我々は今日の価値に満足し留まってしまうことの怖さも知っている。

だから、自己を研鑽するための弛まぬ努力を惜しまない。

スピードを自由に操り、いつも変化に対応できる準備を行っている。

“勇敢と無謀の違い”もよく理解した上でだ。

我々はチームの活動としてみんなで創る喜びを分かち合いたい、その結果、産まれ育まれた喜びを社会全体にも還元したいと思っている。


(掲載日 2017年10月18日)

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