東京IPOトップインタビュー:(株)コンヴァノ(6574・マザーズ)

株式会社コンヴァノ(2018年4月11日上場/東証マザーズ:6574)

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ネイルサロンをチェーン展開するコンヴァノ。「どのような企業であるべきか」「どういうネイルサロンか」という自社の事業に対する約300人の社員の意識のベクトルを合わせ、会社のDNAを育てる。ネイリストは大半が女性。ライフステージが変わっても働ける人事制度を導入し、人を育て、育った人材が新しい価値を創造する企業文化でネイルサービス市場を牽引する。


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↑代表取締役社長 鈴木 明

 「経営者こそ目標を高く」などの名言で知られるファーストリテイリング代表取締役会長兼社長柳井正さんのブレない経営姿勢に倣い、自ら外資系企業で培った“事業を育てるチームワーク”の土壌をコンヴァノに根付かせ上場に導いた。「いかなる状況においても掲げた目標は着々と実現していきたい」という鈴木さんの言葉に熱がこもる。

毎朝のジョギングやスノーボードのほか、週末には娘とのウクレレ合奏を楽しむ。スノーボードは仕事の話を抜きにして社員らと出かけることも。


ネイルサービス市場は2010年の1,419億円から、2016年には1,678億円と、緩やかながら堅調に伸びている。2014年にコンヴァノに参画し、「わずか1ヶ月でポテンシャルが見えました」と鈴木さん。同社の事業成長性だけではなく、同社の社員の姿勢に可能性を感じたという。

—- 事業について教えてください。

全国47店舗でネイルサロンを展開しています。駅近テナントビル、あるいは、百貨店などの商業施設に出店する形態をとっており、今後は、主要都市を中心に商業施設で店舗数を増やしていきます。

ブランドは、『ファストネイル』『ファストネイル・プラス』『ファストネイル・ロコ』の3つを展開しています。マニキュアではなくジェルを使う。『ファストネイル』はネイリストの指名なしで、30万種類から好きなデザインを来店前に選べます。ジェルを取り除く時間も通常30分かかるのを20分に短縮し、さらにネイリストの関与は5分程度に抑えるなど、施述時間の短縮と効率化により低価格を実現しました。『ファストネイル・プラス』は、ネイリストを指名でき、ネイルデザインのカスタマイズも受け付ける。男性客も10%ほどを占める。『ファストネイル・ロコ』はヘアサロン内に併設する店舗となっています。

一般的なネイルサロンは来店してからデザインを決めることが多い。デザインは、1分2分で決められるものではなく、ヘアサロンで髪型を選ぶのと同じように数10分はかかります。弊社では『FASTNAIL TOWN』という自社開発した予約アプリを提供し、予約時や来店途中にデザインを決められるようにしています。日時の予約はできても、デザインも予約できるシステムは他にはありません。

また、低価格を実現するにあたり、コンサルタントとネイリストがお客様の対応を分業する仕組みにしています。ネイリストは、ネイルのオン・オフのみ。お客様の受付、デザイン確認、会計やお見送りなどは、コンサルタントが対応する。こうすることで、お客様の滞在時間を短縮し、ネイリストの対応を1顧客に2時間かかるところを1顧客60分に抑えることができています。

このように、弊社では効率の高いオペレーションに加え、外部メディアに依存しない顧客獲得力とリピーター比率の向上を実現してまいりました。

—-  社員の採用と教育について教えてください。

ネイリストは、未経験者を採用し、短期間でみっちりと技術や接客の心得を教育する制度があります。高卒で18歳という若さでネイリストになる社員もいます。入社する社員はほとんどが女性で、自分でマニキュアを塗った経験がある。絵心に差はありますが、習得は速い。最短で1ヶ月で現場に立ちます。

店舗のスタッフは、限られた環境の中で働いているので、全社の規模感と連帯感を感じてもらえるよう、毎年、全社コンベンションを開催しています。功労者の表彰や、会社の業績、将来の戦略を共有する場にもなっています。

—-  集客はどのように?

予約システム経由が5割で、来店時に次回の予約をするお客様が2割。広告など外部メディアに頼るのは2割を切り、広告宣伝費はここ数年で大幅に減りました。月間の来店客数は約4万2千人で、新規顧客の獲得も堅調です。リピーターは85%で、繁忙期はリピーターのお客様を優先しています。

集客の鍵でもある店舗展開については、最近の商業施設は、同じフロアに化粧品とアパレルがあるなど顧客の回遊性を高める工夫をしていることが功を奏しています。ネイルや美容を目的に来たお客様ではなくても、店内を覗きやすい雰囲気のある弊社の看板を見て入ってきてくれます。

また、働く女性の数が多いのも商業施設の魅力。女性の従業員が3千人いる施設もあります。もう一つのメリットは競合が隣接しないことです。同じフロアに出店するとしても、リーズナブルな価格帯の弊社に対して、価格帯の高い店舗にするなど棲み分けがされます。

—- 個人投資家にお伝えしたいことは?

弊社の事業は一朝一夕の成果を追うものではなく、長期的に市場のニーズを掴みながら店舗網を着実に広げ、利益につなげていくモデルです。末永く、中長期的にご支援をいただきたい。2015年に業務効率化と顧客サービス向上を図る予約システム『FASTNAIL TOWN』やジェルオフ機器『e.g.1』の提供を開始し、その効果は顧客単価にも現れています。

こうした取り組みは常に進化していくものであり、競合他社が追随しようとも追いつかれない仕組みづくりを加速させていきたいと考えております。今日明日の売り上げではなく、日々のサービス向上から生まれる長期的な成長を見守ってください。


(掲載日 2018年4月18日)

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