東京IPOトップインタビュー:(株)共和コーポレーション(6570・東2)

株式会社共和コーポレーション(2018年3月19日上場/東証2部:6570)

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共和コーポレーション

長野県から信越地方、関東、東海、近畿、北海道へとアミューズメント事業を展開する共和コーポレーション。アミューズメント施設運営を手がける一方で、ディストリビューターとして同業他社向けのゲーム機販売では、国内シェアナンバーワンの実力。2016年に緩和されたが、「年少者は18時まで」という規制の煽りを受けて業界全体が低迷した時代がある。同社はそれを乗り越え、点から面へと地域に根付いた店舗展開とM&Aで事業成長を遂げてきた。現在、国内100店舗を目指し邁進する。

共和コーポレーション社長

↑代表取締役社長 宮本 和彦

<社長の素顔 代表取締役社長 宮本 和彦>
都内の食品関連企業で3年半営業職に従事したのち、故郷の長野にUターン。かつて、喫茶店に行けばテーブルがわりに並ぶインベーダーゲームがブームを迎えた1980年代に宮本さんは「ゲーム機レンタル」に目をつけた。1982年の創業からアミューズメント事業一筋に「楽しさを売る」という理念のもと、着実に事業を拡大させる。ブームとの勝負とも言えるエンターテイメント業界で、いくつものピンチを乗り越えてきた宮本さん。何ごとも「継続は力なり−−」に尽きると話す。「不器用なのでじっくりと育てられる事業を考えた」という宮本さんは、地元の長野県に腰を据えて家族三世代が集える空間づくりを目指す。


本社は長野にあり、新宿駅から徒歩5分の立地に東京支店を構える。共和コーポレーションは、ゲーム機が並ぶ空間を「ゲームセンター」ではなく「アミューズメント施設」と呼び、“溜まり場”から“集いの場”へとイメージ転換に努めてきた。アミューズメント事業にかける思いを同社代表取締役社長の宮本和彦さんに聞いた。

インベーダーゲームのブームにかけた創業期

共和コーポレーションは、現在、「APINA(アピナ)」「YAZ(ヤズ)」「GAMECITY(ゲームシティ)」という3つのブランドでアミューズメント施設を展開する。バッティングセンター運営のほか、ボウリング場を買収するなど「楽しさを売る」事業を拡大してきた。宮本さんが起業を決めたきっかけは、30年ほど前に購入した1台のインベーダーゲーム機にある。「当時はゲーム機のレンタル事業はほとんどありませんでした」と宮本さん。将来的に成長が見込める新しいビジネスモデルを考えていた時に出会ったのがインベーダーゲーム機で「置いてさえおけば、自分で稼いでくれる」ところに着目したという。

今はほとんど見かけることはないが、かつては、喫茶店に入ると百円玉を積み上げインベーダーゲーム機で遊ぶ姿があった。そんなブームも長くは続かず、あっという間に冷え切った。それに伴い宮本さんのゲームレンタルは採算が合わなくなった。「一時は、開業早々に廃業をも覚悟しました」という宮本さんに、新たなチャンスが訪れる。1990年前後、白馬や志賀高原といったリゾート地がある地元の長野県の冬場はスキー客で溢れかえっていた。スキー客が泊まるホテルにゲーム機を置き、スキー場が営業している期間に限定されるが、その間の収益は得られた。スキーのオフシーズンに眠るゲーム機をどう活かすかに試行錯誤した末、直営店を出すことを決めた。創業から10年後の1992年に念願の1号店「アピナ長野村山店」オープンにこぎつけた。1986年に「アピナ長野スカイバッティングセンター」をオープンしているが、「ご縁があって知人が運営していたバッティングセンターを引き継ぎましたが、私がゼロから築いたアミューズメント施設としては、アピナ長野村山店が一号店です」と、宮本さんは話す。メダルゲームからドライブゲーム、景品ゲームなど、人気のゲーム機を揃えた。

リピートの仕掛けは接客力にあり

同社のターゲットはファミリー層だ。親子連れが来店すると、UFOキャッチャーの景品を目にした子どもが「お父さん、これ取って」とおねだりする。我が子にせがまれて取ってあげることができた時の父親の“ドヤ顔”、はたまた、フロアスタッフに助けを求める視線を送る父親の姿がある。「フロアスタッフは、こういう光景があるこの業界が好きだと言ってくれます」と宮本さん。父親から助けを求められたスタッフは「この辺を狙ってください」とアドバイスをするそうだ。また、「お孫さんを連れてくるおじいちゃんやおばあちゃんは、百円玉をたくさん用意して、お孫さんが自分の体よりも大きいゲーム機で遊ぶ姿を楽しんでいます」と話す。

同社は「楽しかったね」と言われるような接客を徹底する。外部から講師を招いて研修会をしたり、店長や社員、フロアスタッフ、それぞれに合った勉強会を実施したりしている。

アミューズメント施設で接客するシーンと言うと、なかなかピンとこないかもしれないが、全般的にゲーム機が複雑化しているため、使い方を教えるなどのニーズがある。UFOキャッチャーにしても、どちらのボタンがどう動くのかの説明や、「こうすると取りやすい」といったコツを教えている。フロアスタッフにはお客様と積極的にコミュニケーションをとるよう促すのが同社の接客スタイルだ。

同社のサービスには、こんなものもある。お客様がUFOキャッチャーでぬいぐるみなどの景品を取ったら必ず袋を持って行く。中には「お父さんが取ってくれたから抱っこして帰る」といって袋に入れない子どもの姿に、顔を綻ばす父親もいる。

「袋を用意するだけで、もう一つの喜びが生まれる。弊社のスタッフは、そういうことを一つひとつ見ています」と続け、「袋に入れる?それとも自分で抱いてる?」と、子どもに選択させるなど、現場ならではの接客力が育っているというエピソードを挙げた。宮本さんが「お客様をしっかりと見ることが接客の原点」と強調する理由がここにある。

100店舗展開とM&Aで事業拡大を目指す

宮本さんが個人投資家に伝えたいことは、「派手なことはしないが、一つひとつしっかりと積み重ねていく会社であること」だ。成長戦略に「100店舗展開」を掲げているように、将来的には店舗数は増え、それに伴い利益も見込める。「点から面へと展開できるように、地域に根付いたアミューズメント施設づくりをしていきたい」と宮本さん。短期間で急激に利益が上がる業態ではないが、「創業から30年以上、コツコツと実績を積み上げてきたように、これからも継続していくことが一番の力になると思っています。長い目で見ていただきたい」と思いを語った。

また、同社は、株主優待を始めた。2018年9月末に100株以上保有の株主に対しクオカードを用意する。2019年からは3月末ベースになる。

アミューズメント施設運営事業のほか、ゲーム機器販売においては、国内トップ。着実な成長が楽しみな共和コーポレーションだ。

(掲載日 2018年9月14日)

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