東京IPOトップインタビュー:(株)Macbee Planet(7095・東マザ)

株式会社Macbee Planet(2020年3月31日上場/東証マザーズ:7095)

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7095

 株式会社 Macbee Planet(マクビープラネット)は、企業のマーケティングの課題をテクノロジーで解決することを目指し、2015年に設立。消費者一人ひとりに対するマーケティング成果を高め、クライアント企業の投資対効果の底上げと最大化を図るためのデータ解析技術やウェブ上での接客ツールを独自に開発し、コンサルティング事業に活かす。

 社会のデジタル化に伴い消費者のライフスタイルも多様化が進み、新しいマーケティング手法やサービスを提供する企業が乱立する熾烈な環境の中で、同社は急成長を遂げる注目株だ。創業からわずか5年で上場に導いた若きリーダー、代表取締役社長の小嶋雄介さんに起業の背景と事業への思いを伺った。起業家であり一人のマーケターとして「努力の先にある夢と目標の実現」を見据える小嶋さんの実直な姿勢が垣間見られた。


 小嶋さんはマーケティングプランナーとしてキャリアをスタート。クライアント企業のブランディングや認知度を上げるプロモーションを手がけてきた。「マーケティングは天職」とし、打ち込んできた。紆余曲折がありながらもマーケティングがもたらす価値を、仕事を通じて自問することも多かったという。中でも「認知度向上=売り上げ増」にならないケースは、小嶋さんにとっては苦い思い出。「どうすれば年間予算を預けてくれるクライアントの目標を達成できるだろうか」と考えるうちに「売り上げにつながるマーケティング」の実現を目指すモチベーションを抱くようになった。やがて売り上げには“質”があることに気がつく。

Macbee Planet小嶋氏

↑代表取締役社長 小嶋雄介

 企業によってマーケティングの定義は異なるが、小嶋さんは自身の経験から「商品が売れればいいのではない。質のいい顧客の発掘、すなわち、ロイヤルカスタマーを増やすためのマーケティングをクライアント企業は求めている」と考える。「それを実現することが、Macbee Planetの成功であり、社員一人ひとりがそうした成功を積み上げていくことが事業成長の鍵」と強調する。

投資対効果を最適化しつつ広告商品の売り上げを伸ばす

広告や宣伝の費用対効果あるいは投資対効果(ROI)はマーケティングの成果として重要な指標となる。ROIの最適化でMacbee Planetが定評を得るのは、同社のLTV(Life Time Value)の予測と向上にある。LTVとは、一人の消費者が生涯を通じて企業にもたらす利益のことで、その消費者を獲得するためにかけられる費用を算出するための指標だ。

同社は、「新規ユーザー(消費者)の獲得」と「既存ユーザーの解約防止」がROIの最適化に直結すると考え、そこにLTV予測と向上のノウハウを活かす。自社開発のテクノロジーをベースにしたコンサルティングを成果報酬型で提供し、クライアント企業のマーケティングやプロモーション活動を支援する。

具体的には、広告運用のためのデータ解析プラットフォーム「ハニカム」とウェブ上での接客及び解約防止チャットボット「Robee」がある。LTVを予測して新規契約や購入に繋げるマーケティング活動の戦略立案や運用に「ハニカム」を、既存顧客の解約を防ぎLTVを高めるツールとして「Robee」を提供し、成果報酬を得る仕組みだ。

いずれも、消費者の購買心理に基づくもので、新規顧客の獲得においては、ウェブサイトを閲覧する消費者がどこで商品を認知したのかや、どの段階でどのように関心を示したのか、そして購入に至る意思決定のプロセスを分析し、ROIの最適化につなげる。解約しようとする顧客に対しては、どこに不満があったのかなどの原因を吸い上げ、解約を防ぎ契約維持を目指す。こうしたデータの蓄積が同社のサービスの精度向上にもつながっている。

“売上を生むマーケティング”を実現する

「成果報酬だからといってクライアント企業が新規顧客を闇雲に抱え込むことが正しいとは考えていません。ロイヤルカスタマーになるような質の高い消費者との接点を増やし購買につなげていくかがポイントです」と小嶋さん。

より高いLTVを予測するために、同社が蓄積するマーケティングデータと、購入記録などクライアント企業が保有するユーザーデータを紐づける。商品に見合った消費者の属性や悩みが「ハニカム」上で符合することで、独自のプロモーションモデルが生まれ、精度の高い広告運用を可能にする。

同社が提供する「ハニカム」は、顧客企業が出稿するウェブ広告の一元管理を行う。ECサイトやランディングページと呼ばれる商品を紹介するページへの流入を高めるためのプロモーション戦略の立案やパフォーマンスに連動した運用支援により、サービスの申込みや契約の成立、商品が購入されると成果報酬が得られる。

昨今、スマホのニュース系アプリやPCでアクセスするオンラインメディアでは様々な広告が表示されるのが当たり前になっている。そのほとんどが、ニュースを見る消費者一人ひとりの嗜好にあった内容であったり、広告する商品に親和性の高いメディアを選んで掲載されていたりと、消費者目線での広告の精度はますます高まってきた。こうした環境下で同社が躍進を遂げるのは、より高いLTVを予測する技術とノウハウがあるからに他ならない。

一人ひとりが夢を抱ける組織を育てる

Macbee Planetは2015年の創業から5年弱で上場。「上場を新たなスタートとして、売り上げを伸ばすことで投資家の期待に応えていきたい」と小嶋さんの言葉に力がこもる。

創業してからの小嶋さんの週末は、読書やジムで汗を流すほか、英語や中国語など新たな知識やスキルを身につけることが習慣だそう。好きな言葉は「一身二生」で「一度の人生を2回分生きたい」と言うほど、目標を実現するための努力を惜しまない。

そんな小嶋さんの一つの大きな挑戦となっているのが「人材」だ。同社の事業は売上の質を重視する金融と美容・健康分野に特化しており、それぞれに独立したチーム体制にしている。トレンドや業界の専門知識の共有を促し、社内外の講師による教育プログラムも充実させている。「毎日を同じように過ごすのではなく、小さくても一人ひとりが目標を見出せる職場環境を目指し、実現することで成長できるような場にいるということを社員に実感してもらえる会社にしたい」というのが小嶋さんの思いだ。Macbee Planetのこれからの成長に注目したい。

(掲載日 2020年4月9日)

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