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「リユース&リサイクルのデファクトスタンダードを作る
                  〜アップガレージ石田社長に聞く〜」
   東京IPO編集長 西堀 敬

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3月3日、ひな祭りの日に上場したアップガレージ(3311・マザーズ)の石田社長にお話しをお伺いした。

読者の皆様は「中古」とい言葉をどのように感じるだろうか。筆者は、正直なところ、ある種の抵抗を感じてしまう。しかしながら、自分も車を売ったりしているわけであるから、中古市場の恩恵を賜っていることをすっかり忘れてしまっているという都合のいい話しである。中古自動車販売の世界をみると、テレビのCMでも大々的に宣伝されているように、これが大きな市場になっている。中古車が流通しているのに付随して、車の装飾品であるカー用品市場は、新品で5,000億円程度であり、中古市場はその10%程度の550億円程度とされている。この市場でビジネス展開をしているのがアップガレージだ。

同社のビジネスは、自社直営およびフランチャイズにて、中古カー用品の買い取り・販売を行う「アップガレージ」ならびに、中古バイクおよび中古バイク用品の買い取り・販売を行う「アップガレージ・ライダース」を営業展開している。同社が扱うのは、主としてアフターパーツとよばれる自動車・バイク本体が販売された後にユーザーが専門店等で購入する自動車用品・バイク用品が
対象となる。店舗数における直営:FC比率は3:7程度、「アップガレージ」の一店舗あたりの年間売上は、直営、FCに関係なく、都市部は2億円、地方は1.5億円程度、売上構成は直営:FCで8:2となっている。但し、FC事業の売上はロイヤルティ収入のみで実際の店舗での販売額ではないが、売上実績は昨年度が25億円、今年の中間期は16億円となっている。

当社のビジネスモデルで重要なポイントは「在庫」である。街中にある質屋と仕組みは同じで、持ち込まれたものは買い取らなければいけないが、持ち込まれなければ仕入れがなくなるわけである。持ち込まれる物件も1点ずつが多く、新品のカー用品販売会社のように大量仕入れによるバーゲニングパワーが生まれてこないのである。一方で、販売のほうも戦略的な商品を常に品揃えできるわけではない為、フランチャイズによる販売チャネルの多様化という対応策しか残らない。そこで石田社長が考えついたのが、まずはコンピュータシステムによる在庫情報の共有化である。顧客が持ち込んだものを高く買いすぎたりしないように、全店ベースで直近の買い取り価格をチェックできる仕組みをもっているのと同時に、顧客が目的をもって来店した場合に、来客した店舗になくても、全店ベースで在庫の有無を確認して融通しあうことが可能な仕組みになっている。
また、「在庫管理」という面においても、当社のシステムでは、仕入れ、在庫、販売の情報が財務会計につながる仕組みとなっており、商品は1点づつ個別管理で買い取りから販売まで本部にて瞬時に把握できるようになっている。在庫管理はできても、在庫がさばけない状況は当然のことながら起こるわけである。その対応として、買い取った日から270日で必ず売り切るルールを設けている。まず、購入してから90日経過後も売れない場合は、置き場を変える、POPを書き直す等の一層の販売努力をする。そして180日経っても売れない場合はプライスに手をつけ値引きを行う、270日目までにはコンビネーションを変えたり、セット販売をしたりして売り切るそうだ。本当に廃棄ロスに至るのは、クレームで戻ってきたもので修理が不可能な一部のものに限られる。また、毎月、実地棚卸を行い帳簿との差額が発生した場合、その月の売上原価に反映させる仕組みをとっている。従って、期末に在庫が積み上がって一括処理しなければいけないような事態は起こらないといっても過言ではないだろう。

今後のビジネス展開であるが、当社調べによると5年後の中古カー用品市場規模は1200億円という数字がでている。会社の目標としては、市場の20%程度を確保して、フランチャイズ先も含めて240億円程度の売上を目指したいそうだ。しかしながら、このビジネスはニッチビジネスであるため、次なる構想として、当社が構築したリユース&リサイクルの仕組みを横展開していく、つまり、現在の事業のノウハウをシステム化し、チェーン・オペレーションの小売業に導入をしていきたいそうだ。石田社長が目指すのは、リユース&リサイクルのデファクトスタンダードを構築するためのナレッジマネジメントコンサルティングだ。日本車が東南アジアへ輸出されているのを見て、インターネットを使った業者間のマーケットプレイス構築の構想まであるようだ。見方を変
えると、このビジネスは中古品のマッチングビジネスであり、最大の競合はYahoo Auctionかもしれないと考えられる。物が惜しみなく消費される時代が到来する一方で、リユース+リサイクルという形で資源の無駄を省く精神が日本人にも目覚めてきたように思える。特に耐久消費財に関しては、単価の低い中古品の市場が形成されていなかったのが流通のネックになっていたように思える。石田社長が先鞭をつけて、その市場を立ち上げれば、ネットオークション市場の成長とあい交えて短期間に日本も中古品市場が立ち上がるのではないだろうか。

株式会社アップガレージ HP ⇒ http://www.upgarage.com

東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com

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