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「飲食店経営はミシュランの星の数よりもナレッジマネジメントにあり
   〜リンク・ワン(2403 東証M)河原社長に聞く〜」
東京IPO編集長 西堀 敬

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ふらりと一見で入ったレストランが非常においしい料理を提供してくれることがある。でも、お店の中にお客はまばらだったりすると、次回訪れたときもまだやっているだろうかと心配になったりする。確かに飲食店の経営というものは非常に難しいと感じる。お店を訪れる客にとって評価の高いレストランの経営が必ずしもうまく行っているとは限らないのである。レストランのブランドは残したいが経営がうまく行かない、そんなときに助け舟を出してくれる人は居ないものだ。企業再生なるものが巷ではもてはやされているが、飲食店経営の現場をサポートするコンサルティング会社はいままで存在しなかったのではないだろうか。7月2日に東証マザーズに上場したリンク・ワンの河原社長に飲食店経営についてお話をお伺いした。

リンク・ワンは、外食産業を中心に、顧客企業の社員に代わり、お店の現場の運営業務を請負う(=当社の社員を店長として派遣する)「プロ店長事業」を主な収益の基としている。現在、店長90名を44社の80店舗へ派遣しており、読者もよくご存知の「銀のさら」「牛角」などが派遣先上位となっている。従来、飲食店の経営というと、店長の俗人的な能力に頼っていたり、店長に「気合と根性」を叩き込むという教育方法が主流であった。リンク・ワンが「プロ店長事業」なるもので成功しているのは、一言で言えば、店舗運営における成功事例をデータベース化し、派遣される店長間で情報シェアを行ってい
るからである。お店がうまく機能しているその理由を店長自身が理解していないケースが多く、日々の活動をレポートすることによって店長自身が自らの成功に理解を深めるケースもあるようだ。

このように現場の店長個人に帰属し、俗人化している成功事例を「LINKTOWN(リンクタウン)」と呼ぶウェッブサイトに集約し、社員や派遣されている店長間で情報シェアするというナレッジマネジメントを徹底していることが当社の強みなっているのは間違いない事実である。ナレッジマネジメントを強化する方法として、派遣されている店長には毎週テストが課せられている。また、店長の評価は、ただ単に売上の額を向上させるだけではなく自らが計画した業務改善の内容の達成度が重要なポイントとなる。つまり、当社はいい知恵を出した人を評価する仕組みになっており、親会社の日本LCAの流れを汲んだ外食産業において店舗運営という現場のコンサルティングビジネスを実践しているとも言える。

派遣されているプロ店長とはどのような人物像なのか。平均年齢は27歳、新卒〜35歳までくらいが多いが、上は50歳台もいるそうだ。100人の応募があっても採用は5名前後と非常に狭き門である。入社前のキャリアは、競輪選手、飲食店経営者、公務員(外交官)、普通のサラリーマンと各方面から多士済済の人材が集まっている。現在90名のプロ店長を5年後には300名まで増やしていく計画だそうだ。

一方のプロ店長を受け入れる企業のニーズとしては、店舗を増やすケース、業態をチェーン化するケースが多いようだ。最近は、企業再生の流れを受けて、ファンドからの店長遣依頼も出てきている。派遣を受け入れた企業のほうは、派遣期間(通常6ヶ月間)が終了した後も、店舗運営をスムーズに行うために、プロ店長に対して、後任の店長の育成や定期的に開催される店長会議への出席などのコンサルティング契約に切り替わるケースが多いという。当社のビジネスモデルは一時的に新規店や不採算店の支援を行うだけではなく、店長の教育という視点で長期的に派遣先企業を支援していくところにある。

当社は創業後わずか3年の非常に若い企業である。河原社長は、当社のステージを富士山登山に例えて、まだ5合目まで到達していないと言う。今後は、上場時に調達した資金で飲食店舗運営と店長研修の両方を同時に行える複合施設をつくりプロ店長養成に拍車をかけて行くそうだ。 また、株主(投資家)の皆様には発展途上にある社の成長を一緒になって享受していただきたいとのことである。

熾烈な競争を展開する外食業界では俗人的な店舗運営が幅を利かせる世界であるが、リンク・ワンの登場で、「職人芸店長vsナレッジマネジメント店長」の戦いで、どちらに軍配が上がるのか楽しみである。

リンク・ワンHP → http://www.link-one.co.jp/

東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com

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