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新規公開株式情報の東京IPO
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編集長のジャスト・フィーリング
 プロ野球が面白くなる?!
東京IPO編集長 西堀敬
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ここのところメディアに登場するライブドアの堀江社長と楽天の三木谷社長を
目にする機会が多くなってきた。その数日前まではヤクルトの古田選手がクロ
ーズアップされていたが選手交代といったところだ。一方で、今回の小泉連立
内閣の改造はあまりメディアでは取り上げられていないばかりか、株式市場も
注目していない様子である。7日間連続の下げで読者の皆さんも少し株式市場
のことは忘れてプロ野球界の行く末を追ってみてはどうだろうか。

筆者は、プロ野球界の再編話が始まったころから、球団を保有する親会社の経
営について興味を持ち出した。細かいデータの分析はできていないが、それぞ
れの親会社の経営状況と株式市場での評価は次のようになっている。

コード 社  名  時価総額 自己資本 経常利益 設立年月日
2267 ヤクルト本社:3,057  1,828  231   1955年4月9日
2282 日本ハム:  3,299  2,621  196   1949年5月30日
8263 ダイエー:   873   885  315   1957年4月10日
8591 オリックス: 9,700  5,640 1,022   1964年4月17日
9002 西武鉄道:  4,888   462  76   1912年5月7日
9041 近畿日本鉄道:6,047  1,392  335   1944年6月1日
9043 阪神電気鉄道:1,203  1,090  167   1899年6月12日
9401 TBS:   2,595  3,261  239   1951年5月17日
9404 日本テレビ: 4,134  3,540  368   1952年10月28日
4753 ライブドア: 2,395   523  13   1996年4月22日
4755 楽天:    8,174   553  44   1997年2月7日
※:単位:億円。自己資本、経常利益は前期実績を使用、但し、楽天、ライブ
ドアの自己資本は今期の増資を加味した。 
(球団経営をされている上場企業が他にあるかもしれないが、筆者が思いつい
たのは上述の9社。また直接球団を保有されていない場合は関連する上場企業
を掲載した。)

驚くべきことに、すべて東証1部上場企業である。時価総額は数千億円、自己
資本は軒並み1,000億円以上、社歴は40年以上となっている。上場企業はゴー
イングコンサーンが原則で、一度上場したらそう簡単には上場廃止になるよう
な事態は避けなければいけない。たぶん、新規参入についても、オーナー達は
そこのところを危惧しているのではないだろうか。

一方の新規参入を表明している2社は、時価総額は数千億円あるとはいえ、自
己資本は2社ともに500億円程度でそんなに厚くないうえに、社歴は10年未満と
上記の企業群に比べると見劣りするのは事実である。上場市場も新興市場の東
証マザーズとジャスダックに上場している。しかしながら重要なことは、この
2社は10年前には存在しなかったわけだ。無から有を創り出して、株式市場で
数千億円まで企業価値を高めてきたことを現球団のオーナー達はどのように評
価しているのだろうか。どのオーナーも一代でここまでの企業価値を創造した
人はいないはずだ。

筆者はライブドアと楽天のどちらを応援するわけでもなく、できれば既存の球
団保有会社がもう1社ギブアップして2社ともにプロ野球界に参入を果たして欲
しい。これは新旧ビジネスの対立の構図であって、ネットビジネス2社の戦い
ではないはずだ。もし、2社が経営を始めて、うまくマネージしたら困る人た
ちの集団がオーナー会議ではないだろうか。誰がやってもうまくいかないから
球団数を減らして、ゆくゆくは2リーグ制から1リーグ制に改編して限られたビ
ジネスのパイを守ろうとしているように見えるのは筆者だけではなかろう。

アメリカの映画で草野球同然のチームが優勝するというストーリーがあった。
まともな選手が集まらない球団に勝ち目がないと思っているオーナー会議のメ
ンバーは、ライブドア、楽天のどちらが参入しようが強敵になるに違いない。
試されているのは、新規参入する2社の経営手腕ではなく、既存の球団を保有
する企業の経営手腕であるのを忘れるべきではない。上記の東証1部上場企業
は球団経営についてアナリストや機関投資家から質問が来ることを想定して保
有理由や既存の事業とのシナジー効果について回答を準備しておいたほうがよ
かろう。堀江社長、三木谷社長の両氏へのメディアからの質問は自らへの質問
と受け止めるべきであろう。

さあ、これからは、プロ野球経営を行っている上場企業のIRが面白くなりそ
うだ。

東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com

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