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こんな着メロ欲しかった  〜ケイブ(3760大証H)高野社長に聞く〜
東京IPO編集長 西堀敬


株式会社ケイブ 代表取締役社長 高野 健一氏

私事で大変申しわけないが、年末の師走の季節になると、どうしてもベートーベンの交響楽団 『第九』を聞きたくなる。着メロといえば、流行歌ばかりだと思っていたのだが、ケイブの上場によってクラシックの着メロもあることを知った。クラシック音楽を着メロ設定している人は見たことないが、ケイブの高野社長にお話をお伺いして、その会員数の多さには驚いた。12月24日クリスマスイヴに大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場したケイブの高野社長にお話をお伺いした。

高野社長は、元々はグラフィックデザイナーの仕事をしており、そこから進化してコンピュータグラフィクスのクリエイターとしてゲームの仕事に入っていった。折しも、ソニーがテレビゲームに参入し、CGの世界が2次元から3次元に移ってきた1994年に当社を設立した。当初はゲーム開発会社としてスタートしたが、時代を先取りする形でネットワークビジネスへの転換を図り、いち早くNTT docomoのiモードを使ったコンテンツ配信事業へと乗り出したのである。

ケイブは日本の携帯データ通信の走りであるNTT docomoのiモードの登場とほぼ時期を同じくして携帯コンテンツプロバイダーを始めている。1999年に「占いサイト」を立ち上げアクセスの1位、2位を競っていたそうだ。前期ベースの売上の内訳を見ると、12.6億円のうち携帯コンテンツの売上が11.7億円と売上全体の92%を占めている。

携帯コンテンツの主なものとしては、ニューヨークの名門ジャズクラブ「ブルーノートNY」監修のジャズ着信メロディサイト「ハーフノートJAZZ」、東京フィルハーモニー交響楽団が監修するクラシック着信メロディサイトがある。それぞれiモードの着メロコンテンツの「クラシック・JAZZ」のカテゴリーにおいては上位1位、2位の位置を占めている。

当社の携帯コンテンツは、最初に始めた「占いサイト」などは数が多くて激戦状態になってはいるものの、すべてのコンテンツが一切ドロップアウトしていないのが特徴である。高野社長にその理由を聞くと、競争にならないコンテンツに取り組んできたのが生き残っている秘訣であると言う。現在は、着メロ6サイト、ゲーム3サイト、占い4サイト、待ち受け画面1サイトを運営している。

当社の売上に占める割合は小さいが、設立当時から取り組んでいるゲームにおいては、ゲームソフトの販売会社に開発コスト以上で買い取ってもらう前提で開発を続けている。ゲームにおける戦略としては、市販されるゲームの版権(ライツ)を確保しておいて、市場でのコンテンツの認知度が向上した後にネットワークを使ったオンラインゲームとして展開することを目論んでいるようだ。韓国ではオンラインゲームが大流行のようだが、日本においてもブロードバンドが追い風になる日が来るやもしれないがしばらく時間がかかりそうである。

当社の3番目のビジネスはイーコマースである。ビーズアクセサリーを扱う携帯サイト「ビーズdeお買物」を立ち上げる一方で、リアルショップとして青山に「bise bise AOYAMA」を今年の7月に開店、11月には高島屋からの依頼により期間限定で新宿店に出店させ、モバイルからリアルへの成功事例と捉えている。「ビーズdeお買物」サイトにおいては2万人を越える会員が登録しており、毎月約1800人がお客様としてお買い物をしていただいているそうだ。一見するとデジタルコンテンツビジネスとは縁のないビジネスに見えるが、当社の「時代をエンターテインする」というキーワードに事業の共通性がある。

「趣味性に強くこだわった付加価値の高いコンテンツを提供して、より豊かな生活ができる社会をプロデュースする」ことが当社のビジネスポリシーだという高野社長は、3年後には売上60億円、経常利益12億円を目指すという。携帯電話がコミュニケーションツールとなった今日において、「楽しさ」と「面白さ」をより簡単に手軽に提供しつづけるケイブは年代を問わずに人々を虜にするコンテンツプロバイダーであり続けていただきたい。

東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com

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