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編集長のジャストフィーリング 〜 決算情報で重要な業績予想の見方 〜
東京IPO編集長 西堀敬

先週の金曜日は3月決算企業の発表が一番多い日であった。今週のメガバンクの決算発表をもってほぼ終了となる。東証1部上場株式全銘柄の平均PERは今期の業績予想をベースにして先週金曜日時点で18.91倍であった。今週決算発表する企業も三桁の数存在するもののPERに影響する銘柄群としては銀行セクターくらいでおおよそ決着はついたと考えてもいいだろう。

5月20付日経新聞に上場企業1099社の前期決算および今期業績の集計が掲載されていた。全産業ベースの純利益の増減を見ると、今期は7.7%増、前期は31.8%増、前々期は62.0%増(いずれも前年比)であった。日本の上場企業の平均PERが先進国の株式市場の平均値である18倍程度に収斂するならば現状の18.91倍はぼちぼちといった水準である。おそらく第一四半期の決算発表の時期までは企業業績に大きな変化が起こるとは考えにくく、日経平均で平均PER18〜19倍の水準である11,000円台といったところが居心地の良い水準ではなかろうか。

上述の業績はあくまでも全体値であって、個別の企業を見ていくとその様相はさまざまである。決算発表を受けて個別の銘柄ではすでに動き出している銘柄もあるが、投資家がチェックすべきポイントについて少しまとめてみた。

(1)数値と前期に出された業績予想の比較

情報開示のルールでは、決算数値が業績予想数値から「売上で10%、経常利益、当期純利益で30%以上」の乖離が見込まれる場合は「業績予想の修正」を発表すべきことになっている。但し、乖離率が低い場合でも業績予想の修正を発表しても構わないことになっているので、業績好調を市場にメッセージとして伝えたい企業は、意図的に決算発表に先駆けて開示する企業もある。見落としてはいけないのは、業績修正を行わなければいけないぎりぎりの水準で修正を行わずに好決算を発表している企業である。

(2)今期の業績予想と前期に出されていた前期の業績予想の比較

決算発表までは前期に発表されていた3月期決算の業績予想数値がベースとなって株価は形成されていたと言える。とするならば、株価は前期の業績予想と今期業績予想の数値の差分だけ理論的には動くはずである。例えば、前期予想ベースの1株当たり利益が100円、今期予想ベースの1株当たり利益が150円とすると、株価は過去1年間の平均株価の1.5倍になってもおかしくないということである。

もう少し噛み砕いて説明すると、日経新聞では3月決算企業の決算情報として、2004年3月実績、2005年3月実績、2006年3月予想が掲載されている。ほとんどの人は2005年3月期と2006年3月期予想を比較して○○%増益(減益)と判断してしまい、○○%の株価変動を期待しがちである。しかしながら、前述(2)の今期の業績予想と1年前(もしくは中間期)に出されていた前期の業績予想との比較でどれだけ変化があったのかのほうが重要であることを認識しておいていただきたい。例えば、2005年3月期実績と2006年3月期予想で30%の増益であっても、1年前に出されていた業績予想との比較を行うと50%増益になっている場合もある。そうすると株価は30%ではなくて、50%をベースにして動くということである。

プロの投資家は業績予想と実際の決算数値との乖離を厳しくチェックしている。毎年業績予想を控えめに出しておいて期末にサプライズの業績修正を出したり、何もアナウンスメントしないで中間と期末で決算数値が結果として上ぶれしている企業がいくつか存在する。まだまだ決算情報を株価が反映していない銘柄が多く存在しているはずである。そんな企業を見つけるのが株式投資を行っている読者の皆さんの醍醐味ではなかろうか。

※業績予想については、決算短信の表紙の一番下に記載があります。もし、記載がなければ、その企業は業績予想を出していない企業でありますが、その旨の記載があるはずです。

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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