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新規公開株式情報の東京IPO
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日本のIPO市場が特殊な点
  日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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IPO市場は特殊な市場になりつつある。読みと立ち回りに上手な人には際限のない魅力を持ち、原則論で考える人には、分けが分からない市場へと変化していくかも知れない。 

新興市場の短期的な動きを表現するとすれば、「曲がり角」だ。マザーズ指数は5月に入ってから9%、ヘラクレス指数は8%下げた。ジャスダックの予想PERは32倍から25倍台へ低下してきている。新興市場銘柄の予想業績は伸び悩む。

しかし、ただ、‥‥‥と続けなければならない。IPO市場だけに限ってみれば、引き続き、需給相場の側面が強いからだ。5月に入ってから公開した銘柄の初値倍率をみれば、それは明らかだ。

需給相場を前提とした見方が正しいのだとすれば、朗報もある。一部報道によれば、大証は商い過多によるシステム障害を回避するために、増強対応ができるまでの期間、新規公開の申請受付を停止するというのだ。ヘラクレス市場での上場は今年の入ってからの発表ベースを入れると15社。IPO全体の2割を供給している市場からの供給が秋口まで止まることになれば、供給過小状態を生むことになる。需給だけでIPO見れば、今後は強いとの印象を持つことだろう。需給で動く市場では資金の回転が早まる。上場後の値保ちが悪い銘柄が増えるかも知れない。これは、特異な市場の一側面だ。

IPOが人気化し、銘柄数が増加しているのは日本だけの話ではない。今年に入ってからの米国市場もそんな市場展開になっている。

日米の違いで大きいのは業種構成の違いだ。日本ではバイオ銘柄が極めて少なく、株価的に見れば市場人気は高くない。ところが、米国市場では公開銘柄の3分の2近くをバイオ関連が占める形になっている。

日米のバイオ企業に違いがあるとすれば、米国の場合は研究開発の継続に固執することなく、事業の買収売却を行なう機動的な資金回収出口が用意され、経営者もそれに対応できるビジネスモデルを模索しているところだろう。このため、キャピタルゲインだけを狙っている投資家にとっても、投資決断を下しやすい。研究水準は高くても、経営的には多様な出口を暗示させる経営モデルが少ない点でも、日本は特異かも知れない。
   
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり

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