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時価総額認識トレーニングの勧め
     〜業種、業績トレンド、収益力から時価総額を想起できるように
     頭に焼き付けろ〜
  株式会社ティー・アイ・ダヴリュ ジェネラルパートナー 藤根靖晃
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2年前(正確には2003年3月)に或るオンライン証券の投資家向けセミナーで「ファンダメンタル分析入門」という講演を行ったことがある。この際には、事例の一つとしてビール会社を選択したのであるが、(細部は忘れてしまったが)結論として以下のようなことを申し上げた記憶がある。

1)キリンとアサヒは収益力ではほぼ同じであるにもかかわらず、キリンはアサヒの約2倍の時価総額となっている。これは、キリンが高すぎるか、アサヒが安すぎるかのどちらかである。

2)キリンの営業利益は、飲料事業が大きく寄与している。キリンの飲料事業とはほぼキリンビバレッジであるが、キリン時価総額の飲料事業の営業利益シェアとキリンビバレッジの時価総額を比較した場合には大きな乖離があり、キリンビバレッジが上昇する可能性が考えられる。

結果はどうだっただろうか?

先週末現在と2003年3月20日の株価を比較すると、キリンが24%の上昇、アサヒが74%の上昇、キリンビバレッジが33%の上昇となっている。

キリンとキリンビバレッジに関しては約26ヵ月という期間を考えれば誤差の範囲かもしれない。しかしながら、依然として、時価総額でキリンとアサヒは1.5倍の格差があるものの、26ヵ月前と比較して大きく縮まっており、キリンとアサヒの比較においては一定の評価が出来るのではないかと思う。

キリンがアサヒよりも高く評価されている背景は、1)医薬品事業が順調に拡大しているなど多角化戦略が順調に推移していること、2)ビールをはじめとした酒類の市場拡大に期待しづらく、また当時は発泡酒への課税が強化されたことからビールへの依存度の高いアサヒへのマイナス評価が強まったことが、挙げられるであろう。

情報通信セクターのように技術革新によって競争環境が一変してしまう業界もあるが、成熟産業においてそのスピードは緩慢なものである。しかしながら、証券市場はそれを先取りしすぎてしまうことから現状との大きなギャップを生じさせていることが多く存在する。2006/3期会社予想においてもキリンとアサヒの収益格差(経常利益額)は15%にしか過ぎない。

仕事柄、主要企業の時価総額ならびにその変化を半年に一度は一覧にして眺めてみる。どういった業種のどのくらいの利益水準の会社がどのくらいの時価総額にあるかを頭に刻み込むためである。株価での認識では分割や増資など発行済み株式数の変化によって左右されやすい面があり、連続性のあるイメージ構築には不向きな面もある。PERやPBRも具体的に検討をする際には必要不可欠であるが、EBIT、EBITDAなど他の収益性指標に展開してゆくことも考えれば時価総額を把握している方が重要である。

ある種の訓練としてお勧めしたいのが、会社四季報をめくりながらその企業の凡その時価総額をイメージするトレーニング方法である。前後30%くらいの範囲でイメージできればたいしたものである。そうしたトレーニングをしていて自分自身のイメージと大きく乖離する銘柄があればそこには投資のBig Chanceが必ずあるはずだ。

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