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編集長のジャストフィーリング 〜45日ルールの実現は?〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

今日のゲストコラムにて藤根さんが先週のコラム「配当性向は重要」に異議を唱えられています。どちらが正しいということではなく、立場が変われば見方が変わると言うことだと思います。私も非常に参考になりましたので、是非、お読みいただきたいと思います。

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さて、今日は東証上場会社の決算発表について、東証の決算短信に関する研究会が20日に研究報告をまとめて発表した内容について吟味してみた。

まず、決算発表は決算期日後45日以内に開示、できれば30日以内がより望ましい、とのことである。

確かに決算発表は早ければ早いほうがよいに越したことはない。しかしながら、すべての会社がそんなに早く開示できるのであろうか。 

研究会のメンバーを見ると、上場会社の決算業務に携わる方も入っておられて実務的な検証をした上でとりまとめられていると思うが、監査法人の方々がメンバーから抜けている点が気がかりである。

上場企業の決算短信は、市場関係者にとっては速報ではなくて確定数値との認識が強いはずである。とするならば、監査法人の監査が終わった後でないと公表はできないということになる。

毎年150〜180社程度の上場企業が市場に登場するが、監査法人の受け入れ態勢は万全とは言えない。ライブドアの監査法人である港陽監査法人がドリームインキュベータ社に対して監査できない旨の通知を行い、同社が代わる監査法人を選任するまでに紆余曲折があったことは読者の皆さんも記憶に新しいだろう。

港陽監査法人が監査を行っていた企業の後を引き受けるリスクがあるとは言え、たった1社の上場企業と監査契約することすら容易ではないほど上場企業の監査業務には細心の注意を払わなければいけなくなってきているのが監査法人のおかれている現状であろう。

私がIRをお手伝いしている某上場企業は、今3月決算の監査法人の監査は5月1日から2週間の予定で行われるそうだ。もちろん、企業サイドにも決算数値をもっと早く出すように努力する必要があるとは思われるが、監査法人にもマンパワーの配分上すべての上場企業が30日以内に開示を行うような体制を構築することは不可能と考えられる。

また証券取引所が上場企業に要望しているIR活動についても無理が生じてくると考えられる。

決算発表直後に開催されているアナリスト、金融メディア、機関投資家等を対象とした決算説明会が現在以上に混みあうことは間違いない。3月決算企業がすべて30日以内に決算発表を行うとすれば、たぶん4月15日〜30日に集中し、決算発表はもちろんのこと決算説明会も同一日の同時刻開催が多くなり、投資家の利便性は低くなると考えられる。

市場は上場企業により精度の高い決算数値の開示を求める一方で、開示までに要する時間をも短縮することは非常に酷なことではあるまいか。

ここのところ、決算短信の訂正のファイリングが非常に多くなっている。ケアレスミスとも言えるような、投資判断には影響を与えないような事項であっても訂正は訂正である。

取引所は上場企業に対するプレッシャーは業績予想を有限実行することを優先し、開示にかかる時間に関しては、最長期間だけを定め、個別の企業の体力に任せるべきではないだろうか。

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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