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西堀編集長インタビュー 〜ジェイエムネット(福岡Qボード2423)の新しい展開〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

先週の金曜日に決算を発表した福岡のジェイエムネットの植木社長にお話をお伺いする機会があった。

株価のほうは、今期の業績の回復と将来の成長を見越して月曜日はストップ高となったが昨日はストップ安、本日は2万円高となり、ジェットコースターのような動きとなっている。

ジェイエムネットの今後の株価動向を占う上で植木社長のお話のポイントをまとめてみた。

まずジェイエムネット社についてご存知ではない方が多いと思われるので簡単に事業について説明をしておこう。

ジェイエムネットHP: http://www.jmnet.co.jp/

同社の事業は、大きく二つに分かれている。

(1)半導体事業
   アプライドマテリアル社を中心とした半導体製造装置の立上げ、保守、
   メンテナンスを行っている。また、売上は少ないがアドバンテスト社製テ
   スターのプログラム作成、LSI設計メーカーへの人材派遣等も含まれる。

(2)IT事業
   ソフトウェアの受託開発、エンジニアの派遣、EコマースのASPサービス提
   供を行っている。昨年、大信情報システム社の100%子会社化を実施して、
   エンジニアが70名増強された。

次に前期決算のサマリーであるが、売上(連結)18.2億円、経常利益(連結)0.6億円であった。

前期のトピックスとしては次の2点が挙げられる。

1.大信情報システム(社名変更し現在はジェイエムソルーションズ)を100%
   子会社化。約70名のシステムエンジニアの確保し、グループで120名体制を
   実現

2.システムLSI部門のリストラクチャリング
   北九州ラボの閉鎖とシステムLSI自社設計事業の中止により不採算部門を
   整理を行った。

その結果、

1.により前期から連結決算が始まり、連結調整勘定の償却が始まった。また、大信情報システムの福岡と横浜の事務所を移転したコストがスポットで発生した。

2.はラボラトリーの閉鎖と人員の整理を行いリストラ費用が発生したことが前期業績の下方修正の大きな原因となった。また、前々期までは製品が資産に計上されていたが、前期は製品をすべて研究開発費として償却を行いきれいなバランスシートとなった。

今期の業績は連結ベースで売上21.2億円、経常利益1.5億円を見込む。

前期にM&Aしたジェイエムソリューションズの売上と利益が100%貢献し増収増益の見込み。但し、ジェイエムネットとジェイエムソルーションズの前期ベースの売上を合算した非常に保守的な業績予想を策定している。

同社の事業展開を分析すると、前期からIT事業の売上が半導体事業の売上を上回り、シリコンサイクルに左右されない経営体質に転換できたことで、今期以降は利益のブレを抑える効果が出て来るとみられる。

特にM&Aしたジェイエムソルーションズは携帯電話の組込みソフトの開発などに注力しており、ワンセグの流れでコンテンツが大量化していく携帯電話向けのビジネス拡大に期待が膨らむ。

また昨年12月には携帯コンテンツ配信の最大手インデックス社と資本提携を行い、インデックスグループが約17%の株式を保有しており、携帯電話向けの事業展開に拍車がかかる可能性が出てきた。

中期的には、売上で毎年15%成長を見込み、IT事業分野での利益のレバレッジを計画している。また、人材確保の面においては福岡という地の利を生かした地元の若手人材の採用や中国やベトナムといった著しい成長を見込めるアジア地域でのシステム開発体制にも着手している。

筆者の視点:過去から引きずってきた負の遺産は前期に一掃。インデックスとの提携により携帯向けのソフト開発事業に期待。半導体事業はアプライド社との太いパイプがあり好調を維持か?

 

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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