毎日飲んでいる野菜ジュースは
どこの会社が製造しているかを知っていますか?


2006年4月18日新規上場

 〜 ゴールドパック(2589・JQ) 幡鎌社長に聞く 〜

   
ゴールドパック株式会社
代表取締役社長 幡鎌 武夫氏

私は毎朝果実飲料(野菜ジュース)を飲むことを習慣にしているが、最近の健康食ブームで私と同じように毎朝足りない野菜をジュースで補給されている方も多いのではないだろうか。
今回は、果実、野菜飲料メーカーの老舗であるゴールドパックの幡鎌社長にお話を伺った。

当社は東急グループ創業者の五島慶太氏が、出身地の長野県の農業振興を目的として1959年に設立され、東急グループの一員として運営管理されてきた。

2003年に東急グループがリストラクチャリングを行い、投資会社のフェニックス・キャピタル社が運営するGPファンドが株式の約70%を買い取った。

幡鎌社長は、2002年4月に東急グループの人事異動で当社の取締役に就任し、翌年4月にはGPファンドの信任を受けて社長に就任した。

事業の内容としては、飲料メーカーからの受託製造と自社ブランドのメーカー事業がある。

受託製造は伊藤園、ダイドードリンコが大口の顧客で当社の売上の60%超を占めている。
この事業においては、原材料の大部分が顧客から支給され、顧客の仕様に従って製造をおこなっている。

メーカー事業に関しては、自社ブランドの清涼飲料等を開発・製造し卸売業や小売業などに販売するケースと当社が開発または共同開発した顧客ブランドの製品を見込みにより製造して顧客の受注に対応するケースがある。

商品情報はこちらを → http://www.gold-pak.com/lineup/index.html

さて、2003年にファンドの子会社としてスタートした当社はこの度の上場に向けて大きく変革してきた、と幡鎌社長は話す。ではどのように変革してきたのだろうか?

2003年に「新3ヵ年経営計画」が策定された。
重点施策として
1. 自社ブランド製品拡販を目的としたGPプロダクトユニットの導入
2. 小型紙容器の需要増加への対応するための紙容器ラインの増設
3.官能検査水準向上のための官能検査員資格制度の導入
4. 物流業務の効率化を図る外部委託などに取り組んできた。

上場前の業績を見ると2003年1月期、2004年1月期と売上は横ばいだが、設備投資の減価償却費負担増加や冷夏などもあって経常利益が減少しているが、2005年1月期には売上高と経常利益の増加にその効果が現れてきていると言えるだろう。

市場動向については、清涼飲料は3兆5,000億円市場と言われているが、果実飲料に関しては約1,000億円程度でカゴメと伊藤園の2社で半分のシェアを占めており、当社はその1社の伊藤園向けの売上が約50%となっている。

外部環境は人口減少という構造的な問題はあるものの、地球温暖化で水分補給の必然性が高まること、高齢化で健康ブームが高まっていること、単身や二人世帯が多くなり少量の飲料ニーズが高まっておりマイナス面ばかりではなくプラスの側面もある。

今後の事業展開であるが、受託製造と自社製品の割合を3対1で維持しながら売上成長を目指す。受託製造の大手顧客である伊藤園とダイドードリンコはともにファブレス(製造ラインを持たない)で生産機能を外部委託している会社なので、当社が製造の品質を維持すれば共存しながらの成長が見込める。また、自社製品を持っている強みとして当社には製品開発能力があり、新しい商品を提案することによって受託製造の拡大に結びつけることができる、と幡鎌社長のお考えをお伺いした。

■西堀編集長の視点

売上成長については、受託製造を行っている顧客の伊藤園の売上成長がひとつの目安になりそうだ。ちなみに、伊藤園の売上は連結ベースでここ数年10%成長を達成している。
利益構造に関しては、前向きの設備投資の必要性から償却額はさほど減らないと考えられるが、粗利率は売上増加の効果で前中間期は15%(前期13%)まで上昇している。また、前中間期で120億円ある有利子負債の借入金利が上場により低下する為、経常利益の押し上げ効果が出てくると見られる。
少子高齢化が進む中で高齢者の健康食志向が高まり、当社の中核製品である果実飲料の需要は伸びるものと考えられる。但し、2004年のような冷夏があると一時的な売上の減少があることを念頭においておかねばならない。株価に与えるリスクファクターとして考えられる要素は現在の大株主であるファンドが市場で持分を処理する場合に需給が崩れる恐れがあるだろう。

東京IPO編集長 西堀敬


■企業DATA    ゴールドパック株式会社
□証券コード 2589・JQ 株価情報へ
□ホームページ http://www.gold-pak.com
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