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編集長のジャストフィーリング 〜経営者は日本相撲協会を見習うべき〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

日本の国技である相撲の世界において番付上位陣小結以上は10名いるが外国人力士が半数の5名を占めている。

また夏場所においては幕内の前頭で10勝以上は4力士だが、そのうち3名は外国人であった。

昨日の千秋楽の本割(最後の取り組み)は、白鵬(モンゴル出身)と把瑠都(エストニア出身)の戦いであった。

本来ならば上位三役の中での取り組みとなるはずである本割が、満員御礼が出ない状況が続いている相撲界にあって、日本相撲協会が苦心した結果の演出であったと考えられる。

スポーツ界は弱肉強食の世界であり誰が一番強いかは戦ってみれば結果がすぐに出ることである。

外国人力士の力を得なければ、国技といわれる相撲においてもその価値が維持できなくなっていることを日本人が牛耳っている相撲の世界においてすら認識が進んできたということである。

企業経営の面においては外国人経営者が日本の企業経営のトップに登場して久しい。

日産自動車のゴーン氏はその最たる存在であるが、姿形が外国人である事が重要ではなく、経営のあり方、方法論、価値観までもが脱日本人化の動きが出てきている。

会社法の改正によって外国企業が日本の子会社を通じて日本企業を買収する「三角合併」が解禁された。

新しい制度が出来て、外国企業が日本企業にM&Aを仕掛ける可能性が高くなってきている。

その尖兵ともいえるのが、プライベートエクイティファンドなるもので、すでに皆様もよくメディアで見聞きする村上ファンドにも海外の資金が多く入っていると言われている。

いままではファンドを通じてキャッシュで上場企業の株式を買い進んで来たが、今後は外資が株式交換なる手法で攻め込んでくることが予想される。

このような動きへの対応策として「敵対買収」をどう防ぐか?が議論され始めてすでに1年が過ぎる。

新株予約権の発行などで対応する企業も出てきたが、筆者が一番危惧する対応策は「株式の持ち合い」である。

少子高齢化の流れの中で、日本の人口が減っていく社会において、大手の日本企業はグローバル化が進み、社名というブランドは残るがその経営者は外国人になり、本社所在地も国外に出て行くことも十分考えられる。

もし経営のトップが香港人になれば、法人税の低い香港に本社を移すべきとの発言をするだろう。

その時に外国人持ち株比率が50%超となっている企業の日本人幹部がいくら反対しても外国人株主は「賛成!」というに違いない。

1株利益が法人税の低下で上昇するなら議論の余地がないほど明解な決定であるからだ。

日本人の中には、グローバル企業はそうかもしれないが、日本国内だけでビジネスをしている企業には外国人経営者は向かないはずだ、との発言もあろう。

では、新生銀行、東京スター銀行、パシフィックゴルフはどうだろうか? 資本が海外であるばかりか経営のトップも外国人である。

ビジネスは国内完結、お客様は当然日本人である。

日本人が経営者していた破綻企業あるいは破綻事業を引き継いで企業再生という非常に厳しく、難しい局面を乗り切り見事に新たな価値創造を実現し上場を果たしたのである。

冒頭の相撲においても、ファンドの運営者や再生企業の外国人経営者においても共通している価値観は、顧客の満足を高めていくことが企業の価値を守ることに繋がると考えていることだ。

それに引き換え、日本企業の経営者は敵対的買収に備える仕組みとして伝統的な「株式の持ち合い」の復活に頼っていることに筆者は苛立ちを感じざるを得ない。

株主価値向上に繋がらない「株式の持ち合い」を復活させる企業とは、「市場はグローバル、価値観はローカル」という馴れ合い社会を維持しつづけたい日本人のエゴとしか筆者の目には映つらない。

最も旧態依然とした価値観をもつと考えられる日本相撲協会のほうが今日の日本の現実をよく把握していると言えるのではないだろうか。

最後にもう一言。

筆者は外国人被れしているわけではない。

価値の本質を見抜く眼力の差を言っていることをお忘れなきように!

 

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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