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コーヒーブレイク 〜外国人投資家へのインタビュー(1)〜
  株式会社フィナンテック IRコンサルタント 深井浩史(CFA協会認定証券アナリスト)
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アトランティス・インベストメント・リサーチ社の代表取締役のエド・マーナー氏は、30年以上に渡り日本株の調査と投資をして来ました。同社は英国に本拠を持つブティック型の投資顧問会社Atlantis Fund Management Limitedの日本法人で、日本や韓国などアジア株式への投資に非常に力を入れています。

マーナー氏は米国人で、1960年代に日本の大学で学ぶため来日し、卒業後も日本に留まり株式運用の世界に入りました。そのキャリアの前半においてはシュローダー・グループに長く勤務し、1996年にアトランティスに移り、以来、”Atlantis Japan Growth Fund”の運用責任者を務めています。このファンドは、ロンドン証券取引所に上場されているクローズドエンド型で、時価総額が580億円、総資産もほぼ同額です。

組入れ銘柄は200以上、セクターでは小売、電気機器、サービスなどが上位になっています。個別銘柄ではルネサンス(2378)、SUNX(6860)、エリアリンク(8914)、日本マイクロニクス(6871)、学情(2301)が上位5銘柄となっています(いずれも5月末)。

投資のスタンスとしては、中小型の成長・割安銘柄への投資中心。決算数値によるスクリーニングやアナリストレポートも利用するものの、それ以上に日常の生活や仕事の中で張り巡らせたアンテナでキャッチする情報を重視。IRミーティングで名前の出る同業他社の話なども貴重なヒント。こうしたボトムアップのアプローチでの投資が7〜8割を占める。

調査対象にはトップインタビューと会社(工場や店舗)訪問で企業を調査。アナリストのカバーの少ない中小型、新興〜地方取引所銘柄も対象に、割安な状態にある成長銘柄に投資して長期保有する方針です。こうした投資でマクロ環境に関わらず絶対的なプラスのリターンを追求するというものです。

3年ほど前に、あるセミナーでマーナー氏の講演を聞く機会がありました。その時のテーマは「中小型成長株投資について」。この分野の第一線で活躍するプロとして、中小型株投資の魅力を語り、一方で「大企業は“Dinosaur(恐竜)”だ」というスピーチが強く印象に残りました。

その後、昨年までは中小型株・新興市場株は力強く上昇。しかし今年に入り状況は一転、低迷が続いています。こうした状況でマーナーさんのお話を再度聞いてみたいと思いました。

以下、インタビューの内容を紹介します。

質問:中小型株投資に特化する理由は?

回答:国の経済が成熟化し大きくは成長しない状況で、長期的に大きなリターンを得るには中小型の成長株投資である。またアナリストカバーがなく、効率的な株価形成が行われていない割安銘柄が存在するのでチャンスがある。ただし中小型、特に新興企業の場合、大型成熟企業に比較して当然リスクが高い。株価変動に留まらず、極端な場合倒産も有りうる。厳しい局面での財務的な耐久力がないだけに、基本的には収益面で成長トレンドにある企業を投資対象とする。その中で業績のサイクルも重視する。例えばプローブカード(半導体製造工程の前工程でICやLSIの良否を判定する「ウエハテスト」で使用される半導体検査用部品)については、世界中の需要を日本電子材料、日本マイクロニクスなど4社程度で満たすニッチな分野であり、シリコン・サイクルを見ておけば割安な時期に投資する機会がある。(以下、次回へ続く)

 

コーヒーブレークのブログ書いています。http://ameblo.jp/mplstwins/

株式会社フィナンテック IRコンサルタント 深井浩史
(CFA協会認定証券アナリスト)

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