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編集長のジャストフィーリング 〜いまひとつ盛り上がらないのはなぜ?〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

今日の日経平均株価は前日比176円7銭安の4日続落となった。朝方は少し強含みで推移する場面もあったが続かなかった。その背景には何があるのだろうか。

日経新聞の土曜日の朝刊一面を見て「これは昨年と違うな!」と思った記事があった。

それは「新日鉄、JFEが中間配当〜高級鋼好調、利益上積み〜」の記事である。

記事は、新日鉄が14年ぶり、JFEホールディングも2002年発足以来初の中間配当実施する内容である。

背景としては、高級鋼材の需要拡大により業績が期初予想を上回ることに加えて、個人投資家からの強い要望があるとのことから株主重視の姿勢を強く打ち出すらしい。

この記事が幸いしたのか、両社の株価はほとんどの銘柄が見送られる中にあって、新日鉄は前日比6円高、JFEホールディングは前日比変わらずで引けた。

筆者の見方は、今更なぜ中間配当?である。

記事で紹介された2社は昨年9月8日にそろって中間決算の業績予想を上方修正している。

【2005年9月中間期】    
  新日鉄 JFE
期初予想中間経常 2,200億円 2,300億円
上方修正 2,700億円 2,400億円
05年9月8日株価 333円 3,180円

この業績修正を受けて2社の株価は1ヵ月間以上にわたり上昇を続け、日本の株式市場を上昇させる牽引役を演じたのである。

ところが、今回の新聞報道をまとめると、

【2006年9月中間期】
  新日鉄 JFE
期初予想中間経常 2,200億円 1,900億円
【8月26日新聞報道】    
今中間期経常予想 2,500億円 2,000億円
06年8月28日株価 495円 4,840円

このように昨年と今年を比べてみると中間期の経常利益の絶対値水準は低くなっているにもかかわらず、株価水準はそれぞれ昨年比で1.5倍となっている。

連結PERでみれば新日鉄12倍、JFE10.5倍と東証上場株平均の20倍よりもずいぶん低い水準であるものの1年前のようなサプライズがないのは事実である。

今回の中間配当実施は期初予想比で増益であるにもかかわらず、昨年中間期を越すことができない水準に利益が留まることに対する目晦(めくら)まし戦術のように見えてしまう。

昨年は9月に業績予想の修正を発表した企業が数百社に及んだが、今年はどうだろうか?

新日鉄やJFEのように期初の予算を低く設定しておき、上方修正と言いつつも、対昨年比では減益という企業がでてくる可能性が高いと筆者は推測する。

日本の株式市場が冴えない動きをしているのは、2社のような小手先のテクニックで目先を繕う企業がいるからだとはいえないだろうか。

前期比、期初比ともに増益という修正発表を市場は待ち焦がれているに違いない。

 

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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