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新規公開株式情報の東京IPO
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編集長のジャストフィーリング
〜東京IPOの今年のイベントは終了したがIPO市場のほうは熱くなってきた〜

東京IPO編集長 西堀敬

先週の土曜日、東京、茅場町の証券会館にて今年のIR会社説明会は終了しまし
た。

今年は、東京、名古屋、京都、大阪、博多で25回のIRイベントを開催させて頂
き、延べ63社の参加企業様のご出演と約4,500名の個人投資家の皆さんに足を
運んでいただきました。参加企業の経営陣の皆様と何度も足を運んで頂いた個
人投資家の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

さて、今年のIPOを振り返りますと、昨年のIPOの件数よりも30件多い188件と
なりそうです。この背景には、昨年は大阪証券取引所が取引システム補強のた
めに年後半にIPOをストップした経緯もあって10〜15件くらいのIPOが今年にキ
ャリーオーバーされているのは間違いなかったと思われます。そうすると件数
ベースでは年間170件程度でほぼ横ばいであったと言えそうです。

しかしながら資金調達額では昨年の8,245億円から今年は1兆3000億円へと約
5,000億円近く増額となりました。特に10月、11月IPOの5銘柄(あおぞら銀行
、野村不動産、アコーディアゴルフ、出光興産、タカタ)で年間の調達額の56
%を占めたことがIPO市場に与える影響が大きかったと言えます。

お陰で年間の初値騰落率は74%(12月15日まで)と昨年の134%から大幅な下
落となりました。特に大型IPOの5銘柄が集中した10月、11月はそれぞれ初値騰
落率が12%、0%まで下がり、年間の初値騰落率を大幅に押し下げる要因とな
りました。個人投資家の皆様におかれましては、公募株に当選しても申込みを
躊躇されたかたも多かったのではないでしょうか。

一方、セカンダリーマーケットのほうですが、上場後のIPO株の株価推移も惨
憺たる結果になっています。東京IPOでは、上場後1ヵ月後、3ヵ月後の株価を
初値と比較するデータを収集しているのですが、初値を買ってBuy & Holdすれ
ばするほど評価損が大きくなるという株価の動きとなりました。

11月末までのIPO158社で初値を維持している銘柄数は26社にすぎず、また公募
価格を維持している銘柄も50社程度となっている。個別の企業の業績動向を見
ると、増収増益基調にあるにも係わらず株価の評価は非常に厳しい状況となっ
ています。

IPOの初値の今後の動向を占ううえで参考になるのが、過去のIPO銘柄の年末か
ら年始にかけての動きです。何度も書いていますが、1月はIPOがなくなり市場
から資金が吸収されなくなるわけで需給は大きく改善してきます。すでに12月
に入ってからのIPOの初値は銘柄選別されているものの11月とは打って変わっ
て好転してきています。先週15日にIPOしたギガプライス、イントランスは
揃ってその初値を翌週の18日まで持ち越すほどの加熱しており、初値の付いた
今日の終値も初値を大きく上回って引けています。

年末までにIPOが13社控えていますが、先週からの流れは変わらないものと推
測しています。先週末のIR会社説明会で講演していただいた三菱UFJ証券テク
ニカルアナリストの宮田氏のお話でもIPOだけではなく例年年末から年始にか
けては新興市場が動意つき易く、短期的には大きく戻す局面があると期待でき
る、とのことでした。

この1年間は冴えないIPO市場でしたが、年末年始くらいは市場参加者が気分よ
くなれるマーケットであって欲しいものです。

さて、話は来年の年初ですが、1月14日(日)東京駅前のマルビルにて第2回の
西堀塾を開催いたします。

 詳細はこちら→ http://www.tokyoipo.com/event/070114ipow.htm

昨年のように環境の良いときの対応方法については今年1月にお話させていた
だきましたが、今年のように環境が悪いときの対応の仕方についてもお話をさ
せていただきたいと存じます。また、参加者の皆様方の意見交換の時間も設
けておりますので、是非、ご参加いただきたく!

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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