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株式会社セキュアヴェイル(大証ヘラクレス・3042)
米今政臣社長インタビュー
『インターネットセキュリティのセコムになる!』

保有株式の株価が急騰したり急落したりすると、何かニュースはないかと保有株の会社のホームページを見たり、Yahoo!の掲示板を見たりする人が多いだろう。また、買った株が意に反して下げてしまったりすると、自ら掲示板にどこにも持ち込めない憤りを書き込みしている読者もいるのではないだろうか。

インターネットを使えば、世の中にある情報のほとんどを瞬時にして手に入れることができると同時に自らが情報の発信者となることも容易になってきた。ところが、誰もがいつでもネットに接続できるということは、会社で業務中にインターネットを利用する社員にとっては両刃の剣であって、アクセスフリーだがアクセス先は会社が監視する時代がもうすぐやってくるのである。

日本版SOX法の施行に向けて上場会社を中心に社員の社外へのネット接続先の監視や社内のファイルサーバーへの接続履歴の取得システムの構築が急がれている。

今回は、企業のネットワークセキュリティのシステム設計・仕組みの構築・運用支援を行っているセキュアヴェイルの米今社長にお話をお伺いした。

設立経緯
米今社長は、新日鉄グループのSI会社である新日鉄情報通信システム(現新日鉄ソリューションズ)出身。同社在籍時代に、ネットワークビジネスを手がけたのがきっかけ。同社では、企業向けのデータベースソフトがメインの商材だったのだが、このようなデータベースソフトは通常ネットワークにつながっているので、ネットワークを含めたソリューションが求められていた。

ファイアウォールといったネットワークにおけるセキュリティシステムは、企業の機密情報を守る上で、不可欠なものであるが、そのようなセキュリティ技術は、専門性が高く、外部へ委託する企業が多かった。米今氏が受け持っていた顧客は、大手企業ばかりであったが、そのような企業においても例外ではなかった。

セキュリティシステムは、構築することはできても、その後の運用管理が難しく、構築から、運用管理を一貫したソリューション提供が必要だと米今氏は感じていた。そこで、セキュリティシステムの構築、運用を専門とする事業を会社に提案したのだが、実現せず、それならば自分でやろうということで、その後、ベンチャー企業を経て、2001年8月に当社を設立した。

事業内容について
一般の家庭でも言えることだが、泥棒に入られたくなかったら鍵をかけるのは当然。

本来その鍵をかけるのは家の主がやることだが、会社のネットワークに関しても企業が自身で鍵をかけることが前提となる。当社のビジネスは、そのセキュリティの仕組み構築してその運用をサポートすることである。わかりやすく言えば、インターネットセキュリティのセコムのような存在。

当社の事業はMSSP事業とLAP事業から成り立っている。

まず、MSSP事業であるが、MSSといえば、一般的には、Managed Security Serviceを指すが、当社においては、Managed Security Supportという言葉を使っている。セキュリティ運用のサービスを提供するのではなく、あくまでもサポートすることを提供していると米今社長は強調する。

MSSP(Managed Security Support Provider マネージド・セキュリティ・サポート・プロバイダー)事業は、企業におけるネットワークにおいて、常時、安全かつ効果的に機能させるためのシステム設計、構築、導入後の運用・監視までを行う事業。アタックシュミレーションと呼ばれる擬似的なハッカーを侵入させるテストなどを行い、客先に応じた最適なセキュリティシステムの提案を行う。システム構築から、運用・監視までをトータルに請け負っている。わかりやすく言えば、会社のネットワークに鍵がかかっているか、外部から誰かがネットワークに入ってきていないかを監視する仕組みである。

次にLAP(Log Analysis Provider ログ・アナリシス・プロバイダー)事業であるが、こちらはネットワークから出力されるログ(システムの使用履歴)を解析するサービス。ログ解析からレポート作成までを行うLogStare CRS、顧客自身がログ解析を簡単に行うためのインターフェースを提供するLogStare ASP、ログ解析システムを組み込んだシステムサーバー(LogStare Enterprise)の販売がある。中小規模向けに比較的リーズナブルな価格での提供も行っている。具体的には、社内のデジタルファイル、メール、外部のウェッブサイト等のどこに誰がアクセスしているかを把握できる仕組みで、どの端末からアクセスしてコピーや印刷したかなどまで把握できるようになっている。

今後の事業展開について
この分野は技術者の絶対数が不足しており、当社では無料でインターネットセキュリティ関連の人材育成を行っている。経験者の採用が難しい中で採用してから教育するよりも、教育の過程で優秀な人材を見つけて採用するほうが効率が良いと考えている。

また、愛媛県の松山市に開発センターを設けている。当地には大手電機メーカーのシステム子会社があってその外注先企業には高い技術を持った人材が多く高レベルの技術者が採用できるというメリットがある。従って、当社は東京で顧客開拓を行い、松山でシステム開発を行い、大阪でお客様のネットワークの運用を行うという形にしていきたい。

営業チャネルとしては、売上の90%近くがパートナー(インダイレクト)営業となっており、大手SIer、通信キャリア、ISPが主となっている。また、事業セグメント別の売上構成であるが、2006年9月中間期でMSSP事業94%、LAP事業6%となっているが、今後はLAP事業を20%にまで引き上げていきたい。その背景には、スポットの販売からストックビジネスへの移行を課題として掲げており、製品販売の比率を下げて、ストックビジネスであるサービス収入を増やしていく計画をしている。LAP事業は99%がサービス売上であり、売上のほとんどがストックビジネスである。

売上の成長については、当社の事業は役務の提供が主となるので、過去の平均からすると年間2億5千万くらいの成長は普通に可能と考えているが、事業の質を変えながら5年後にはそれを大きく上回る売上を目指していきたい。利益については、当社は外注を使わずにすべてシステムを内作してきているので、24時間の監視等も社数が多くなればレバレッジが利いて営業利益率も向上すると考えている。

株主還元について、現在は成長過程にあって当面は内部留保に心がける。安定的に収益を上げられるようになれば配当を実施したい。

業績の推移

決算期

売上高
(百万円)

経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
2004/3
498
-27
-27
2005/3
643
22
21
2006/3
950
121
76
2007/3(予想)
1,300
160
93

■西堀編集長の視点

2008年4月に日本版SOX法(上場企業には内部統制報告書の提出を義務付けられる金融商品取引法)の施行を控えており、会社の中で社員の社内情報へのアクセスや社外のサイトへのアクセス先においても監視する必要が出てきた。大企業においては社内に情報管理部門があって、仕組みの構築もできるであろうが、2000年以降に新興株式市場に上場した会社などはとてもそれだけの組織と人員を割くほどの余裕はないはずである。

そのような外部環境の変化に対応するには、セキュアヴェイルが提供するような仕組みを導入し、社内ネットワークの管理・運用を外部にアウトソースしていく流れが自然と出てくるように思える。コスト的にも新興企業も導入できるようなリーゾナブルなプライスであるとお伺いした。米今社長のインタビューの最中に、思わず、私の会社に導入するとしたらいくらくらいの費用がかかるのかを尋ねたくらいである。

今期は売上予想が13億円、経常利益が1億6千万円となっているが、ここ数年間は日本版SOX法の追い風もあって、米今社長がイメージするような成長が実現できる環境が整っているように感じた。課題としては、大阪の企業が東京で営業力を如何に発揮できるかが今後の成長の鍵であろう。


 企業DATA    株式会社セキュアヴェイル
□証券コード 3042・ヘラ株価情報へ
□ホームページ http://www.secuavail.com/
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