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株式会社ゼットン

代表取締役社長 稲本 健一氏


株式会社ゼットン(名証セントレックス・3057)稲本社長インタビュー
店づくりは街づくり 〜人の行く裏に道あり、花の山 〜

 昨年の晩秋に知人から食事に誘われた。予約したと連絡のあった店は銀座大通りをひと筋昭和通りの方向に入った松屋デパートの裏の道に面する通りにあった。

地図が手元にあったから良かったものの夜の8時を過ぎて人通りもまばらになるような場所に入り口があり、間口も狭く正直お店の存在は通りからはほとんど感じられなかった。

お店の人の案内で4階まで階段を上がって行ったのだが、途中視野に入った各フロアの雰囲気は同じお店とは思えない様子でどのフロアも満席状態。

そして席に着くと知人から、この店は10月にIPOしたゼットンが経営する店であることを告げられたのである。私が以前使ったゼットンの東銀座のお店はこんな雰気じゃなかったな・・と思ったが、その場では何年も前のことだからイメージチェンジしたのかな・・・と思い深く考えもしなかった。

そして12月上旬に初めてゼットンの本社を訪問した。名古屋は栄の少し外れにある本社は1階〜3階がお店になっていて、その上の階に本社機能があるのだ。このように下の階はお店、上の階は事務所という構造はよくあることだが、その建物自体が元々は反物倉庫であったそうだ。 従って上の階に上がって行くエレベーターも反物運搬用に作られており見た目にはとてもおしゃれなレストランでは使わないようなエレベーターを使っているところにユニークさを感じた。 そんなビルの5階にある社長室でたっぷりと時間を頂いてゼットンの稲本社長に話を伺った。
創業の経緯  

大学を卒業した直後に名古屋の会社で自動車の内装などの工業製品のデザインをやっていた。その仕事の現場に1992〜1993年頃にパソコンのマッキントッシュが入ってきた。当時、プライベートにはバーテンダーのバイトもやっていたのでMACを使って飲食店の企画書を書くことに興味を覚え始めた。その後、名古屋を本拠地にする居酒屋グループのテイストグループで雇われ店長として店を1軒建て直し、会社に新しいお店の提案をしたが「場所が悪い、やりたければ自分でやれ!」と言われて始めたのが1995年でゼットンの第1号店となった。

そのお店は、現在の本社(名古屋、栄地区)の近くの倉庫街で11年前にはまわりに1軒のレストランも存在しなかった。ところが、その1号店が繁盛し始めると、まわりにどんどんお店が出来て40−50件の店が出来てしまった。
東京の店舗も同じで、東銀座の店は誰がやってもダメな店と言われていた。
そこに行って人通りを見て、電通、日産、マガジンハウスが近くにあってクリエイターの多い場所だということがわかった。その人たちの嗜好に合うように店づくりをやったら結果がでた。

出店する場所の良し悪しは、大通りに面しているから良いとか人通りが多いから良い、というものではない。常にその街にあった店づくりを心がけるようにしている。だから新店舗の候補地に行くと必ず1本奥の道まで歩いてその街の環境や雰囲気を見ることにしている。我々は結果を出して繁盛する店をつくり、その場所を良い場所にするところに価値を見出している。
事業内容   
  

上述の通りゼットンはダイニングバーやレストランを企画・開発・運営する会社である。事業は2分野に分かれており、一般の商業用地での飲食店の展開に加えて、空港や駅、美術館、公園などの公共施設への飲食店の出店を得意とするところにある。店舗は東京12店舗、名古屋地区14店舗、京都1店舗の合計27店舗となっている。その内訳としては公共施設向け8店舗、商業施設向け19店舗となっている。

当社の店舗の特徴

商業用施設向けの店舗では、チェーン展開するような画一的なお店ではなく同じ店は二つと作らないという独自手法を用いている。この背景に顧客の志向が個店化してきており、満腹から満足を求めるようになってきていることがある。従って、もし同じお店を作ったら、自分達がつまらない店と考えることがお客様にも伝わり満足度が下がると考える。また、マーケティングを考えたとき、ひとつのブランドを次々に出店してもメディアも取り上げてくれない。新しいブランド名で開店すればファッション誌や情報誌が取り上げてくれる。もし記事広告で掲載してもらうとバカにならない金額となる。また、1軒1軒クリエイティブに取り組んでいくことに社員のモチベーションが高まる事にもつながる。

公共用施設向けの店舗を始めた理由は、その場所が最高のロケーションにあることだ。美術館、博物館、空港等々は物件としては最高のもので民間では得られない付加価値がある。いままでは公共施設の付帯的な存在であったが、我々はレストランがあるから施設に来る、レストランに来たついでに美術館、博物館に行く、例えば、ニューヨークのMONA美術館のレストラン、パリのルーブル美術館のカフェなどをイメージしている。

名古屋地区において、名古屋テレビ塔に作った街を一望する天空のレストランや名古屋城の隣にある尾張徳川家の邸宅跡に作られた大規模な庭園である徳川園の中の建物を利用したウェディングにも使えるレストランなどはその成功事例である。普通は施設に頼りたい人が借りるが、我々は自ら価値を創り上げ、賃料だけでなく施設の集客面でも還元することを考えている。


今後の展開

現在の売上構成は、公共:商業=50:50となっているが、3年後にはその比率を70:30にしたい。商業施設で勝ち続ける会社が公共にも入っていることに我々の価値があると考えているので、商業の比率30%は維持し続けていきたい。

商業施設においては大規模店舗への取り組みはリスクが高いためあまり望んではいない。公共においては、成功事例の実績が重視されるので、全国の地方自治体から次々と案件を持ち込まれているが断る案件がほとんど。この分野は我々が他社よりもかなり先行しており有利な存在となっている。

来期の出店計画としては、 公共施設としては3件、商業施設は六本木のミッドタウンを含んで3件の合計6店舗を予定している。この6店舗が年間にフルに稼動すれば10億円規模の売上を見込める。

決算期
売上高
経常利益
当期利益
(単位:百万円)
2004/2
1,524
0
-27
 
2005/2
1,783
-159
-252
 
2006/2
2,947
170
187
 
2007/2(予想)
3,772
205
121
 
今後の計画は毎年10〜15億円程度売上が増える計画。経常利益率は10%に乗せて維持しつづけたい。他の外食産業と違うところは、公共の施設を利用するところに利益の源泉があると考えていただきたい。

株主還元

配当は当面スケジュールしていない。株主優待については、単なる割引券は意味がないと考えているが、株主=お客様ということで、当社の施設をより多く使っていただき、より当社の事業の理解を深めていただく為の優待制度は重要と考える。

我々は名古屋が本拠地なので名証セントレックス市場に上場したが、最近は叩かれ方が厳しい。将来的には流動性が確保できて資金調達もできる市場への移行も検討していかなければならない。名古屋発のベンチャーとして名古屋からスタートして全国に行くのが良いと考えている。

■西堀編集長の視点
公共の施設を使ったレストランやカフェの展開は非常に面白い。そのロケーションの良さに加えて、施設の性格から必ずといっていいほど自然というビューが花を添えている。おまけにビジネス感覚のないお役人様は付加価値を創造することによって大きな収益を生み出されることなど計算することができない。それを逆手にとって賃料の交渉ができることが大きな収益のメリットとなってくるのである。
特に公共の施設を利用するとなると、過去の実績が物を言う世界である。当社の先行した取り組みの優位性は少なくとも2010年までくらいは続くと考えられる。私も、東銀座、銀座そして本社のレストランを利用してみて、それぞれのテイストの違いを感じた。稲本社長が言うところの「高級ではなくて上質」を読者の皆さんも是非味わっていただきたい。
ゼットンの店舗はこちら → http://www.zetton.co.jp/shop/index.html
 企業DATA    株式会社ゼットン
□証券コード 3057・名古屋セントレックス株価情報へ
□ホームページ http://www.zetton.co.jp/
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