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新規公開株式情報の東京IPO
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子会社IPOの意味

日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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経済が生き物だと感じさせるのは、常に急変が起きた時だ。前提条件が崩れたときのオカネの動きは早く、大きい。たとえば昨年の1月、今年の3月がそうだった。実は毎年、そんな事が起き、平静へと戻っていく。詰まり、平均へ回帰していく。丁度、いまは平均への回復期だと言える。

そんな平均回帰の過程で、IPO市場の構造は変化してきている。変化の一つは地理的な広がりだ。新規上場企業の本社所在地を見ると、今年は北海道からバミューダまで拡大しているのが分かる。主な営業基盤が地域経済に根ざした事業が、資本市場からの資金調達機会を手にしている。この点は、株式市場制度が評価されるべき点だろう。

二つ目の変化は、安全パイを求める傾向だ。上場企業の地域的広がりがある一方で、事業の支配者が、それに相応しいのかどうかがわからない事例が増加している。代表は子会社・系列企業の増加だ。

新規に上場してくる企業は、株主の構造から概ね4つに分けることができる。
1.社長が創業した創業企業。
2.同族で経営してきた老舗が株式を公開する同族企業。
3.現経営者とは異なる経営主体が独自の道を歩んできた独立系企業。
そして、大企業の子会社・系列企業として事業を拡大させ、なおも支配構造としてはその影響下にある子会社企業だ。

この子会社企業の比率が高まってきている。4月末までに上場した企業のうち、子会社と判断される企業の比率は今年の場合で32%に達している。昨年同期は23%、一昨年は25%だったので、その比率は急速に高まってきたと言える。

市場制度として容認されている事実に異論を唱えるは意味のない事だ。事実としてのこの変化を、どう理解するべきかの方がずっと重要だろう。

生き物である証券市場は、常に大きな変化要件に晒されている。リスクとも呼ばれるその要件からオカネを保全するためには、常に安全な逃げ場が求められる。じつは、「ベンチャー・ビジネス」市場もそんな色合いを強めている。事業者側も、投資者側も、確立した事業との連携は大きな安心に繋がる。IPO市場の変動は、子会社IPOの増加という安全パイを市場へ提供している。

 

日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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