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2007. 7. 30 No.519



『寸劇は終わった、本番はこれから』 

 

参議院選挙の結果は想定通り。

自民党の敗北は「国民の信頼を得られなかった」それが原因だそうだ。

今回の国民の怒りは、一番信用できると考えてきた国に対して「信用できない!」と言っているのである。

国という目に見えないものに対して「NO」ということが出来ないので時の政権与党に対して「NO」を叩きつけたのである。

従って、政権与党がどこの党であれ今回の選挙は負けていたに違いない。

先週、ジャパンインベストのアナリスト、スティーヴン・チャーチ氏にインタビューのとおりである。

政策を立案し運営しているのは霞ヶ関の官僚達である。

年金問題が今回の選挙でクローズアップされたが、官僚のオペレーションミスを政治家が責任を取ったにすぎない。

今後もいろんな政策の失敗で政治家が責任を取るであろう。

小泉政権はその官僚の失政を正そうとしたのである。

戦っていたのは官僚と族議員の癒着であった。

族議員を排除することが、自民党をぶっ潰す、ことだったはずである。

参議院選挙が終わって政治家同士が戦う寸劇は終わったが、いったん造られた大きな舞台仕掛けを止めることになるやもしれない。

せっかく敷かれた改革路線にブレーキがかかるとなると日本そのものが危うくなってくる。

2党体制の均衡は霞ヶ関の官僚という抵抗勢力を勢いづかせることになるやもしれない。

そして次なる選挙では、政権与党はまたもや官僚の失政で政権を失うことになるだろう。

日本の政治の世界はその繰り返しである。

我々国民は、政治家に期待をしても結果が出ないことは知っているにも係わらずなんとなく頼りにしてしまう、そんなところがあるのではないだろうか。

ならば、最初から頼りにせずに、自分でなんとかなることは、自分でやるしかないということになるはずだ。

その精神が高まってくれば地方でも代議士先生への頼み事もなくなり自らの生き残りを模索するのではないだろうか?

何でもかんでも東京の霞ヶ関の官僚に任せているから失望が大きくなるのである。

今回の選挙でも取り上げられた年金問題。 真剣に考えるなら、掛け金は税金と考え、自らの資金を運用するしかない。老後の介護の問題もしかりである。

代議士先生にお願いすることがあるとしたら、霞ヶ関の官僚が自由になる予算の額を少なくすることではないだろうか。

多額の予算を自由に使うことができるから、そこに利権や権限が生まれているのである。

政治家が東京で政治ゴッコをするためのお金など国民は持ち合わせていないはずだ。

そのことを国向かって言いたいがために民主党に票が入ったのである。

スティーヴン・チャーチ氏のインタビュー記事の最後にあるくだりを民主党議員はしっかりと認識して欲しいものである。

チャーチ氏は言っている「保守逆転の政権交代が必要となる理由は、方向転換には政治的な変化が必要で、しがらみのない人でないとできないからだ。」

インタビュー記事 
http://www.tokyoipo.com/column/m20070725.htm

 

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