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株式会社ナチュラム
(大
証ヘラクレス・3090)
中島社長インタビュー
   『ネットショップの老舗中の老舗が上場
       〜長年のノウハウが活かされたEコマースシステムで小売業者のEコマースを支援〜』

最大手のスーパーマーケットが数年前からネットス−パーを始めている。いつも買うナショナルブランドの商品から今日チラシに載った生鮮食品まで何でも自宅まで届けてくれる。仕事で忙しくて時間がない人、お年寄りで重たいものが運べない人、事情は種々様々であろうが、とにかくインターネットで生活に必要なものはほぼ何でも買える時代がやってきたのである。

事業者サイドから見れば、ネット通販の真骨頂は店舗だったら置けない商品をたくさん扱えるところにその価値はある。特に専門的な商材を扱っている小売業者にとって、店舗を持つコスト、店舗に在庫を持つコスト、店員を配置するコスト・・・を考えれば、インターネット上の仮想空間に店舗を構えることは夢のようなビジネスモデルである。

だが問題は集客である。いくらネットショップをオープンしても誰もサイトにアクセスしてくれなければビジネスにはなりえない。その意味では、ネットショップの世界においても老舗は強い。

インターネットが本格普及し始めたのは、いわゆるネットバブルと呼ばれる1999年以降のことである。ネットショッピングとなると、かの有名な楽天でさえサイトがオープンしたのは1997年5月である。

本日、読者にご紹介するのは、楽天よりも早くEコマースを始めたネットショッピングの世界では老舗中の老舗である株式会社ナチュラムである。10月19日に大証ヘラクレス市場に上場を果たした同社の中島社長を大阪の本社を尋ねてお話をお伺いしてきた。

事業内容

ナチュラムは釣具やアウトドア用品などをインターネット販売するEコマース事業を中核としている。また、自らのサイト構築のノウハウを活かしてEコマース事業者向けにASPによるEコマース支援を行うECソリューション事業も展開している。

まずEコマース事業であるが、自社で運営するショップサイト「アウトドア&フィッシングナチュラム」(http://www.naturum.co.jp/)上でキャンプ用品を中心としたアウトドア関連用品、釣り竿・ルアー・フライ等を中心とした釣具、スポーツ&フィットネス関連商品を販売している。また、インターネット上のショッピングモール「楽天」や「Yahoo!Shopping」などでも同じ商品の販売を行っている。売上の販売サイト別の比率は、自社サイト6割、楽天+Yahoo!で4割となっているが近年は自社サイトでの販売の比率が徐々に高まってきている。

2007年7月末の自社サイトの会員数は約20万人。年齢層は30代−40代の男性が70%を占めている。顧客開拓のマーケティング手法としては、コミュニティ、ブログを使っており、自社でもブログ@ナチュラムというブログポータルサイトを運営している。また釣りとアウトドアに特化したブログが5,000以上あって、その中でアフィリエイトを使って当社の商品を紹介してもらっている。

商品数は約20万アイテムを扱っている。約2万点は在庫しており、その他の商品については注文を受けた後に仕入れて発送する仕組みとなっている。また物流については、完全アウトソースで静岡県磐田市にあるムトウの物流センターに約1,000坪の敷地を借りて在庫し、発送業務をムトウに100%業務委託している。

次にECソリューション事業であるが、当社が開発したEコマースのシステムをベースに開発した汎用オンラインショップ統合管理システム「Genesis-EC」をASPという形でEコマース事業者に提供をしている。Genesis−ECはオンラインショップの店舗構築、商品検索、注文・決済を行うフロント機能と商品、顧客、受注、出荷、入金等の管理情報を行うバックヤード機能の双方を兼ね備えている。また物流機能についても当社がアウトソースしているムトウに委託することが可能となっている。

ECソリューション事業の顧客数は事業開始から2年間で140社まで伸びてきた。顧客への訴求ポイントは、顧客はシステム開発に経営資源を割く必要がなく、当社が開発した最新のシステムを常に使うことができることが大きな利点である。従って、顧客は商品の開発とマーケティングに集中することができるため、中には月商2億円まで売上を伸ばしている顧客まで出てきたことがその価値の高さを物語っている。

設立経緯

1986年に父親が設立した釣具製造卸会社のナカジマに入社し、その後に小売部門を担当し1990年に大阪市城東区の住宅街にナチュラムという店をオープン。

その後バブルの崩壊で1995年頃に店舗運営が厳しくなり、 ラジオ、チラシ、ダイレクトメールなどでマーケティングを試している中でインターネットが出てきた。まだまだインターネットは普及していなかったが、1996年に独学でHPを自作し店舗のホームページ上でEコマースを始める。

1999年に入ると世の中はネットバブルでインターネットが急速に普及し始めて店舗の売上と同じ規模までEコマースが拡大した。

1999年末にはEコマースの月商が1,000万円となり店舗売上を突破した。経営的にはうれしい悲鳴だが、Eコマース業務と店舗販売の両立が徐々に厳しくなり、Eコマース専業の当社を2000年2月に設立した。

設立直後に売上の伸びに対応すべく新しいEコマースシステムの構築が必要になってきたが、資金調達問題に直面した。銀行は相手にしてくれなかったが、99年にいろんな賞をもらって注目されていたので、ベンチャーキャピタルから出資の話が出て4億円程度の調達を行うことができた。


その資金で新システムの開発に取り組み、釣りシーズンが本格化するゴールデンウィークまでに完成させるつもりだったが1ヶ月ずれ込んでの納品となった。その後もバグ取りを行いながら改良を重ねて本格稼動したのは1年後となった。

1期目の売上は3億円と好調な出だしとなり、その翌年以降も売上は順調に伸びたが、利益が出るようになったのは4期目となった。

今後について

企業のひとつの節目として売上高100億円はあると考えている。今期が41億円、ぼちぼち100億円が見えてきたところだ。事業環境としてEコマースは順調に成長すると考えており、直線的に伸びれば4-5年先には100億円には到達するのではないかと考えている。

株主還元

黒字体質になってから今期が3年目で、利益を配当という形で還元するのはまだまだ心もとなく感じている。しばらくは内部留保に務めていきたい。

株価は企業の関係当事者が正当な評価をした結果だと考えているので、お客様、取引先、社員などの人々に対して価値を高めていくことが企業価値を高めることに繋がると考えたい。

株主優待はあってもいいと考えているので、出来る範囲で株主サービスを実現していきたい。

業績の推移

決算期
売上高
経常利益
当期利益
純資産
2005/1
2,169
-82
-159
316
2006/1
2,686
57
55
372
2007/1
3,461
125
143
516
2008/1(予想)
4,114
136
114

(注)2008年1月期の数字は会社発表の業績予想


■西堀編集長の視点

中島社長のお話は、上場前説明会と本社の社長室で2回お伺いした。

本社を訪問した際に改めてご説明いただいたECソリューション事業がとても有望に思えたので、思わず「こちらの事業はとても将来性があるように聞こえますが?」と質問してしまった 。

中島社長は「そうでしょう!」とすばやく切り返してきた。次に出てきた言葉は「顧客の1番のニーズは、脱、モール」であった 。

オンラインモールと自社サイトの両建てでやりたい小売業者が使ってくれているとのことである。楽天やYahoo!Shoppingなどで認知度を上げて、自社サイトの従量制の課金がない仕組みで売上を伸ばしたいという顧客の願望にピッタリのEコマースシステムが当社の汎用オンラインショップ統合管理システム「Genesis-EC」である 。

ナチュラムは自社のサイトで売上を上げるための仕組みをどんどんシステム開発して「Genesis-EC」の機能として追加していく。それをそのまま使うことができる小売業者は本当に商売だけに専念できるのである。そして大小にかかわらずほとんどの小売業者が苦しむ物流の部分までお世話してくれるとなると、ECビジネスの完全なるアウトソースが実現されていくのである 。

釣具を中心にアウトドア商品の専門ネットショップとして成功していただきたいのはヤマヤマのことであるが、視点を変えてネットショッピングのポータルサイトとしてダントツの楽天を脅かす存在になれる会社としても期待していきたい。


 企業DATA    株式会社ナチュラム
□証券コード 3090・大証ヘラ株価情報へ
□ホームページ http://www.naturum.jp/
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