今年もあと二ヶ月で終わってしまいます。
皆様が年初に立てた目標の達成度はどのくらいでしょうか?
個人的には、一回も体重が70キロを切れなかったとか、野球の打率がさっぱりだったとか、大学院の勉強に忙殺されてマーケットの分析ツールが作りきれなかったとか、未達に終わったものもありますが、概ね順調だったように思います。
一方、相変わらず強引な展開になりますが、企業にとってもこの時期は振り返りの季節となります。
最も上場数の多い3月決算の企業にとっては半期決算。
1Q決算が不調だった時は「いや、下期に向けてエネルギーを蓄えているところです」「元々、1Qは仕込みの時期で例年こんなものです」と進捗率の悪さを言い訳できる材料がありましたが、この時期になっても数字が積みあがらないと通期修正が懸念され始めます。
もちろん、四半期毎のブレが大きく、決算を〆るまで細かい数字が読めない困った企業もありますが(住宅関連銘柄とか・・・)、こちらとしては「通期目標の半分くらいは届いてくれ」という思いでTDNetをチェックしていく日々が続きます。
ショートポジションを持っている銘柄は未達のが嬉しいのですが、やはり相場に悪影響を与えるという意味では、順調な決算に越したことはありません。
もっとも、トレーダーだからこそ一喜一憂で済みますし、明らかに叩き売られたところを拾えば儲かるのになあ・・・とか、ショートセル入ってきちゃったとか気軽に考えられます。
しかし、アナリストやファンドマネージャーになると腕の見せ所だけに、重圧は比べ物にならないでしょう。
自分の作ったシナリオ通りの数字が出てくるのか、原料高も正確に反映できているのか、同じセクター内での優劣に変化はないか。上流、下流はどうなっているのか、考えることは山積みです。
さすがに詳しくは書けませんがIRと逆のことが書いてあった日には烈火の如く怒ってますし。
最近読んだ本の中に中世ヨーロッパの商人を主人公とした本の中に「商品のすべてを見せたいと思う売り手はいない。ここは見栄と礼儀と欲望の十字路だ」という文言があったのをつい思い出してしまいます。
さて、難しいのがQUICKのヘッドラインを見て如何に反応するか。
海運株のように好決算で材料出尽くしもあれば、任天堂のように一瞬下落して一気に戻ってきたり、新日鉄のようにあまり動かなかったり。
全FMのポートフォリオを見ているわけじゃないので、さすがにいつもいつも企業の通期予想とアナリストコンセンサスから個別銘柄の方向性を見出すのは至難のワザ。
FMと一対一なら、予め決算企業をチェックできますが、何人ものFMからの発注を捌いているとマーケットの軸となる銘柄以外は決算の日程まではチェックできません。
そういう場合は、QUICKのヘッドラインだけで判断することが迫られます。
企業の通期予想との比較はすぐに出来るのですが、中間予想だけ事前に下方修正している場合は勇み足になることもあるので、それこそ雰囲気だけでアップティックなのかダウンティックなのかじっと見て動き出す方向をチェックします。
とはいえヘッドラインだけだと情報量が少なすぎるので、結局はTDNetを見に行ったりする間に売買一巡していたりということも…
本音を言えば、下げると思ったから全部売って、戻ってきたら買い戻して、高いところで再度売るということをやりたいのですが、それは禁じ手というか「誤発注」なので・・・
最終的には慎重に慎重に行かざるをえないので、そこそこのパフォーマンスしか出せないのがなかなか難しいところです。リスク取って勝率が70%でも、その30%が一人のFMに集中していたらと思うとバランスが、なんてジレンマを抱えたりします。
なお大雑把な方向感としては、個人的に今の時期は、東証一部は決算日までに上昇していたら(何をもって上昇なのかといわれると困りますが)通期で大幅上昇修正しない限り売りを警戒。決算日までに下がっていたら様子見て、前日の高値を抜けてきたら買いトレンドという大きな枠をもってます。トレンドはあくまでその日限り。
この基準はその時々のマーケットの状況次第で変わりますが、潜在的に売りたい人が多いのか買いたい人が多いのか、そういうところで判断します。
新興市場は嘆かわしいことに、あれ?情報漏れてんじゃない?という動きをする銘柄が多いので素直に反応する方向についていきます。通期修正情報の発表三日前から動く企業とか珍しくもない印象をもってます。
さすがにニチアスとか出てくるとどうしようもありませんが。
いつ寄り付くんでしょうかね・・・