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2007. 12.3 No.555



『ルールを守ること、ただそれだけで十分』 

 

昨日はマネージャパン誌の新装刊を記念し第2回資産運用セミナーがJR東京駅の隣に最近出来あがったサピアタワーの東京ステーションコンファレンスにて開催された。

今回は東京IPOのサイトで告知を行い集客のお手伝いをしたのだが、マネージャパン誌の吉田編集長から頼まれて私が司会進行役を務めさせていただいた。

心配していた天候にも恵まれて絶好の行楽日和だというのに、400人以上の個人投資家の方々が集まった。 申込み時に入力いただいた住まいの都道府県を拝見すると首都圏(1都3県)以外の遠くからお越しいただいた方もいたようだ。

サブプライム問題で株式市場が大きく揺れ動いた直後の株式投資セミナーということもあって、もう株式投資は止めた!という人が続出しているのではないかとの懸念は杞憂に終わり最後まで熱心に講師の話に耳を傾けていただいた。

さて、その講師であるが、東京IPOでも講演いただいているファンドクリエーションのインベストメントアナリスト木下 晃伸 氏、テレビでもお馴染みの経済アナリスト森永 卓郎 氏、そして株式投資といえば個人投資家には大人気の株式アドバイザー北浜 流一郎 氏の3人であった。

講師3人の話の内容はもちろんのことであるが、個性も語り口調もそれぞれで一聴衆者としても大変楽しくそして面白くて時間が流れるのがとても早く感じられた3時間であった。 人前で話す機会がある私としては少し見習わなければならないことが多くあると感じた次第である。

さて、そんな3人の話の中で2年ぶりに北浜流一郎さんのお話を聞くことができた。いつものとおり持参した短冊に銘柄を書いてホワイトボードに貼り付けるスタイルは相変わらずである。

本音を言うと、北浜さんの話の内容にはまったく期待していなかったのだが、この株式市場の局面で聞いてみると「なるほど!」と思ってしまうことを最初にお話された。

北浜さんは「株の3直」と言っておられたが、三つのルールで株を売買すべしとのことだ。
1.上昇相場で増収増益の銘柄を買う
2.上がってとても嬉しくなったら売る
3.何万円(何パーセント)損したら損切りするか決めておく。

今の相場は上昇相場ではない前提で考えると、
1.強気になって買い続けるような場面ではない。
2.下がってばかりだが、たまに上がって含み益が出来たら高値覚えがあってもすぐに利食う。
3.自分は良い銘柄と思い込んでいるのだろうが他の投資家は売っているから下がることを知るべき。
ということだろう。

今は完全な上昇トレンドが出るような外部環境ではなく、どちらかと言えばボックス圏で推移することを念頭においておくべきである。

どんな相場環境のときでも年に二回くらいは調整が入るものである。今年はこれで3度目の調整が入った。
この調整のタイミングでのみ買いを出動させるというのが基本だと北浜さんは話されていた。

何も目新しい事は話されていないが、この環境にして聞けば「納得!」と思った来場者が多いのではないだろうか。

人間誰しも冷静になって考えれば当たり前のことが、急に状況が変化すると常軌を逸することになりやすい。

常日頃から自分の投資ルールを念仏のように唱え続けることが勝ち癖をつける第一歩になることがよくわかった。

北浜さんがホワイトボードに貼り付けた銘柄は特に目新しいものはなかったが「株の3直」はとっても気に入った。

投資家の皆さんの顔を拝見して、まだまだ日本株は死んでいないと感じた昨日のセミナーであった。

 

 

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東京IPO編集長 西堀敬  column@tokyoipo.com