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コーヒーブレイク 〜(株)フェローテック(JASDAQ 6890)の研究(第3回) 〜
東京IPOスタッフ CFA協会認定証券アナリスト 深井浩史
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3.フェローテックの将来

山村社長は米国ボストンのノースイースタン大学大学院で学び、そのまま米国企業に入り、また米国において何度か起業に参加しました。当社の元親会社である米国フェローフルイディクス創業時には、創業仲間と売上1billion dollarの会社を作ろうぜ!と話したそうです。

「当時の為替レートで日本円に換算すれば3千億円以上だったのが、その後円高が進み、今なら1千億円。ずいぶん達成しやすくなった」とは社長談。過去一番苦しい時期に発表した中期計画で06年3月期には売上高350億円、純利益20億円の目標を掲げました。それからは2年ほど遅れましたが、ほぼ近い水準を今期で達成しそうです。各セグメント別の内訳的にも比較的近い内容になってきています。現在の中国工場の生産キャパシティと商品ラインナップ、各商品の中期的な需要動向、さらに上乗せする形で太陽電池関連の急拡大で、これで数年後に売上高500億円はいけると確信しているそうです。後は何とか自分の現役のうちに、1千億円の道筋まで目途を付けたい、という思いが強いようです。

山村社長自身は昭和19年生まれの63歳。そろそろ後継者なども考えるタイミングであるのかもしれません。米国において複数の起業への参加経験を持ち、成功する経営者、失敗する経営者なども見てきたこと、また世界各地の、多様な人種、人材をまとめてきた山村社長の後継者とは果たしてどんな人になるのでしょうか。

数年前に米国ボストン郊外の当社の拠点を訪問する機会がありましたが、その際には元親会社の創業者、山村社長のボスであった人の息子さんがフェローテックUSAに勤務しており、工場や街を案内していただきました。経営者が代わっても、父の創業した会社には強い愛着を感じている様子でした。企業自身も生き物、経営者から見れば我が子のようなもので、後継者育成、選択には大変な難しさが伴うようです。

 

4.山村社長へのインタビュー

Q.今後の成長に向けた経営環境はいかがですか?

「為替、商品(原材料)市場にも金融・投資家のお金が入ってきて、価格が大きく変動するような状況になってきている。太陽電池向けの原材料ポリシリコンは需要の急拡大で圧倒的な供給不足、サーモモジュールの原材料のレアメタルなどは価格高騰。太陽電池の発電事業自体にも投機的な資金を得ての安易な参入者も出てきているようだ。実需のメーカーとしては、非常にやりにくい環境になってきている。」

「日本企業の活動の基盤として日本の資本市場や商品市場の機能がしっかりしていないと困る。現在のような株式市場の環境では、良い企業でも正しく評価されず、資金供給機能が働いていない。割安状態が続けば外資の買収リスクなども無縁とはいえない状況になる。また世界的な規模で活動するには、自社においても金融・財務などの機能がしっかりしていないと、上手く乗り切っていけない難しい局面になっている。」

Q.今後期待できる事業分野、商品などを教えてください。

「太陽電池は非常に有力。ドイツを筆頭とする欧州の国々や、中国、韓国などアジアの国でも、国策的に太陽電池を奨励している。ここしばらくは原料のシリコンの供給力不足でやや停滞したが、今年の夏には一気に供給が増える見通しであり、これに合わせて製造装置の需要も高まっている。中国だけでも大変な需要が生まれており、当社にも大きな注文が来ている。シリコンインゴットの引き上げ装置の製造販売だけでなく、当社自身が装置を大量に保有して、インゴットを製造していく選択肢もある。ただし、これは資金も必要であり、大口顧客との相談が必要であるが。」

「しかし太陽電池関連もリスク、あるいは不安定要因はある。作るだけなら比較的技術面の参入障壁は低いので、製品を作る技術やものづくりの経験は十分でないが資金力だけはあるようなプレーヤーの安易な参入も見込まれる。こうしたプレーヤーが市場を混乱させる可能性もある。いずれにせよ、現在の太陽電池の市場はかつての、半導体ブームと同等か、それを上回るような過熱感がある。」

「ともあれ、太陽電池関連市場の将来性は非常に大きい。製造装置に加えて、石英るつぼなどの消耗品、その他メンテナンスなどの需要も取り込めば、関連売上高は、かなり拡大する可能性がある。それ以外では真空シールは半導体関連、FPD関連の大型投資があるので、期待できる。石英は太陽電池、半導体分野での消耗品需要増加。サーモモジュールは自動車向けでまだ伸びると思うし、
新たな用途も広がっている。」

Q.今後の一層の成長、収益力強化に向けての経営面の課題は何でしょうか?

「経営者依存リスク、後継者問題など言われることもあるが、世界の各拠点で有望なマネジメント層も育ってきている。日本人だけでなく、中国人でもいい人材がいる。後はロシアを含めた欧州でビジネスをマネジメントできる人材がいるといい。経営トップについては、会社の規模もどんどん大きくなり、領域も広がってきているので、自分と同じようなスタイルである必要はない。経営には色々なスタイルがあり、自分にあったやり方でやればいい。ただM&A、国際的な財務など経営面で見るべき要素も増えるし、一人で経営と技術が両方とも十二分に理解できる、ということを求めるのは難しい。本社には経営者を技術面でサポートするような機能が必要になってくるだろう。」

強いリーダーシップを持つ経営者の下、大きな変化も乗り越えて成長してきたフェローテック。太陽電池関連など有望事業もあり今後の事業展開と収益成長には期待が高まります。一方で、事業規模や事業領域の拡大や人材の多様化に伴い、経営の舵取りは難しくなっていきます。上場企業としての株式市場との関係に加えて、国際的な商品市場、外為市場など、広い意味での金融市場との上手な付き合いも求められています。果たして山村社長やそれを継ぐ経営者が、どのように一層の成長を実現していくのか。注目したい企業です。

第1回はこちら⇒ http://www.tokyoipo.com/column/m20080130.htm
第2回はこちら⇒ http://www.tokyoipo.com/column/m20080206-2.htm

コーヒーブレークのブログ書いています。 http://ameblo.jp/mplstwins/

 

東京IPOスタッフ CFA協会認定証券アナリスト 深井浩史

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