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株式会社スタートトゥデイ
(東証マザーズ・3092)
前澤社長インタビュー
『世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。』

日本のアパレル小売業は前年対比で売上げが伸び悩んでいるところが多い。ファッションという流行を追い求める年齢層が減っていく日本の社会において構造的な問題を抱えているように見える。ところがそのような環境の中で、本日ご紹介するスタートトゥデイは伸び悩みなどどこ吹く風という日の出の勢いの成長を遂げているのである。

上場間もない1月下旬に千葉県のJR海浜幕張駅から冬の冷たい風が吹く中を歩いて同社を訪ねた。高層ビルの中にある本社に入るとそこには上場日の東証でのセレモニー時に当社役員が着用したTシャツが並んでいた。また部屋入るとまず出されたのが当社自らデザインした飲み物のメニュー、ここは喫茶店?と間違うような雰囲気が漂っていた。話を聞く前から興味津々で前澤社長が入ってくるのを待ち受けた。
事業内容

当社は、インターネット上でのショッピングモール運営、ブランドや個性を重視する高感度なファッションブランドアイテムを中心とした通信販売を行う会社。

“ZOZORESORT”( http://zozo.jp/ )というWEBサイトを構え、インターネットによるアパレル商材の通信販売を行っている。“ZOZO”とは想像の「ZO」と創造の「ZO」を組み合わせた当社独自の造語。単なるEC(電子商取引)サイトではなく、ファッションやライフスタイルを支援・提案する様々な情報を満載した付加価値の高いオンラインリゾートとして、会員を70万人近くまで伸ばしている。

ファッション系ECサイトは多数存在するが、カタログ通販からネットへ進出した企業も含め、流行を重視し、アイテムごとに商品が紹介されているサイトが大半である。しかし、当社の位置づけは、単なるファッション系ECサイト運営に止まらず、利用者がサイト上に自分の仮想の部屋を持つことが出来るSNSやブログといったサービスの充実により、それぞれが情報を発信したり交換したり出来るような独自のファッション情報メディアとして一線を画す。

今期の売上げ予想85億円のほとんどがEC事業によるもので、内容は仕入を行って自社在庫を持ちながら販売していく企画開発事業(自社販売)と、受託販売により手数料をとる運営管理事業の2つから成っている。自社販売と受託販売の割合は、35%(自社)対65%(受託)。地道な営業で取引先を増やし、現在では680ブランドを取り扱っている。04年からは、(株)ユナイテッドアローズや(株)ビームスなど大口の取引先も獲得し、業績・会員数ともに飛躍的に成長した。当社が取引先にアピールできるのは会員数だけでなく、ECサイトにかかわる全てを自前で保持しているという点にもある。システムやデザインの作成はもちろん、物流においても物流拠点(ZOZOBASE)を構えており、主要取引先との連携が可能。業務を効率化させコスト削減につなげる。

全国に分布する会員は男女半々の割合で、平均年齢は26.8歳。直近の1年以内に商品を購入しているアクティブ会員は45.3%、年間の平均購入額が5万1千円程度で、年に3.5回のリピートというロイヤリティの高い会員で構成されており、ECサイトでは圧倒的に高い数字を誇る。

サイト内では、SNSやファッション業界著名人ブログの閲覧サービスの他に、Q&Aで情報交換が出来る掲示板や、実在のアパレル店舗を検索できるナビゲーション、CSRの一環としてメッセージ配信型の寄付が出来るサービスも提供している。


設立経緯

前澤社長は創業当初、ミュージシャンと社長業の二束のわらじを履いていたという独特な経歴の持ち主。中学生の頃からバンドを組み、高校を卒業してインディーズバンドとして活動を続け、99年にはメジャーデビューも果たしている。当社の事業の発端も正にバンド活動の現場にあった。

高校卒業後に渡米した際、米国のCD流通スタイルやバンドの販促活動を目の当たりにし、自分たちのライブの時、会場の隅で世界中から集めたお勧めCDや自分達のCDを個人事業として販売していた。チラシから電話で注文を受け付ける通販方式を始めたのが94年。月収10万円に満たないところからのスタートであったが、自分たちの好きな音楽を聴きたがっている人がいるという手ごたえを感じて96年にはカタログを発行、実家を事務所として数人の仲間と一緒に増えていく注文対応に忙殺される毎日を送った。




輸入CD・レコードの通販を目的とした有限会社スタートトゥデイを98年に22歳で設立、2000年に入ってインターネット上のCD通販サイトをオープン、次いでアパレルのセレクトショップ通販サイトも構えた。CD通販を始めた時と同じ動機で、好きだったアパレルブランドから取り扱いを開始したという。サイト構築の際は、ブランドイメージを実現するため独学でシステムを学び、自ら設計を行った。


今後について

当社が対象としているブランドの国内市場は5,000億円規模。特に、主要取引先を含めた殆どの取引先は、取引しているEC事業者が当社だけである為、世の中にECが普及すればするほど当社の取り扱いも増えていく。取扱高は、170億円程度〔今期予想〕で市場の3%程度だが、中長期でみて10%の500億円には持っていきたい。会員については、全国10代後半〜30代後半の年齢層3,500万人のうち、6割程度がファッションに興味を持っていると考えれば、ターゲットとなる国内人口は2,000万人程度と推測する。倍増の勢いで会員数を伸ばしてきた当社だが、まだまだ会員開拓の余地は十二分にあるとみている。

株主還元については、2月13日に08年3月期に上場記念配当の実施を発表している。

業績の推移(百万円)

決算期
売上高
経常利益
当期利益
純資産
2005/3
1,825
96
53
78
2006/3
3,388
127
66
162
2007/3
6,068
814
461
1,674
2008/3(予想)
8,526
1,620
953
-

(注)2008年3月期の数字は会社発表業績予想


■西堀編集長の視点

自らが身につける衣類を手にとって触ることもなく試着することもなしに通販で購入したことがある人はどれくらいいるだろうか。私は残念ながら最近はまったく通販を利用することはなくなった。たぶん衣類という言葉でしか身に着けるモノを語れない人間でファッションという世界には縁遠い存在なのかもしれない。

そんな私がZOZORESORT( http://zozo.jp/ )にアクセスしてみて、この週末は1時間近くサイト内をぶらぶらと回遊してしまった。私の年齢で買えるものは限られているのだが、おもしろい、よく出来ている、これならショッピングを行っているのと同じだ、というのが偽らざる気持ちである。

私見ではあるが、ZOZORESORTでは複数のブランド商品を見比べることができ、季節にあった流行とその時々のトレンドをつかむことができる。またショッピングとはプッシュ型ではなくプル型の営業手法のほうが向いていると私は考えている。プル型とは顧客が好きなものを探す・選ぶという世界である。お店で店員が傍にくっついているとショッピングがしづらいという経験をお持ちの方は多いのではないだろうか。自分の時間軸の中で誰に勧められるわけでもなく品揃えが豊富なお店の中を自由に買い物が出来る世界を実現したサイトだと言える。

インタビューの中で前澤社長からどうして当社のサイトへのアクセスが多くて、会員数や売上げが伸びているのかという部分については明確なお答えを得ることはできなかった。たぶん企業秘密というか、そこは教えたくないというのが本音の部分かもしれないが、サイトを訪れてみれば、会社の理念の「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」が体感できる。このサイトにこそユーザーを惹きつけるものとは何かがすべて表現されている。従って、スタートトゥデイの成長性、将来性は言葉で書くよりもZOZORESORTにアクセスすることから理解が深まっていくと私は考える。
まずは http://zozo.jp をクリックしてみよう!!

 企業DATA    株式会社スタートトゥデイ
□証券コード 3092・マザ株価情報へ
□ホームページ http://www.starttoday.jp/
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