辛い辛い一ヵ月が終わりました。
この怒りをどこにぶつけるか、もしくは20年に一度の大惨事に直面したことを幸運と考えるか。感情のコントロールは本当に難しいものだなと痛感しております。
「預金から投資へ」をスローガンにある程度の社会的地位を築いてきた資産運用業界のダメージも極めて大きく、働き盛りであっても完全にこの業界から足を洗う知り合いの話も聞こえてきます。
外資系証券会社も消えてしまったし心が折れる気持ちは分からなくもないですが…
さて、今回は現実逃避や気分転換ではなく、日本人における大きな買い物の代表である不動産をテーマとします。
個人的にももっとも詳しいセクターでもありますし、世の中のお金は、保険→不動産→株という優先順位で回っていると考えているためです。
多くの日本人が終の棲家を早く手にいれれば、不動産の資産価値に加えてそれだけ株に回る余裕資金は増えるはずなので、日本株もしっかりするという皮算用です。消費財もしっかりするのでファンダメンタルズも期待できます。
ここからが本題ですが、2003年以降の日本株の上昇、そして今回の暴落局面でもっとも振り回されたのは不動産会社、及び不動産を買った方でしょう。
ファンドビジネスで濡れ手に粟(というほど楽でもなかったとは思いますが)で美味しい思いをしてきた新興不動産企業やマンションデヴェロッパーは、今やケネディクスとダヴィンチ以外は全て消えてしまうんじゃないかという勢いでパタパタ倒れていっております。
その余波で高騰した分譲マンションは、バブル以来の歴史的高値であってもそれなりに捌けており、値上がりを期待した人、たまたま安い時期に買えたものの転売したために値上がり益に税金を払った人も多いかと思います。
もともと、日本のマンションは欧米と比べても、分譲マンションと賃貸マンションのグレードの格差が大きいと言われており、月額の不動産コスト(分譲ならローン返済、賃貸なら家賃)が同じであっても、住環境に大きな差があります。
そのため、買うか借りるかという選択を常に迫られる不動産は資産価値狙いも含めてつい高値買いをしやすいのは仕方のないとも考えられます。
他にも、株は買うタイミングを3年待ってもコストはかかりませんが、不動産は3年待ってる間にも何百万円というコストがかかるため、「値下がりによって得られるメリット」が必ずしもプラスの収入に繋がるとは限りません。
私は賃貸マンションに住んでますが、「その立地でその家賃て、地震ですぐに潰れるようなぼろアパートじゃないの?」と言われるところなので、「買わないと損」と思ったところはありませんが、3LDKあたりの相場を見るとボッタクリやなあと呟いてしまいます。
したがって、ほとんどの方は早く安住の地を探す必要があり、さっさとローンから解き放たれて株にお金を注ぎ込むには、早いタイミングで不動産を買うかもしくは安く買うか、この二つしかないでしょう。
ええ、半分くらいは自分に言い聞かせております。
では買いなのか?
三井や三菱といった財閥系、野村不動産はまだまだ強気です。元々長期的な視野でマンション開発を行っておりますし、売れなくてもその年の利益が減るだけでつぶれる可能性はほぼ皆無なので当然でしょう。
しかし、金利が下がって、住宅控除が拡充されて、マンションが売れなくなって首都圏近郊の分譲マンションはかなり値下がりしております。
それなりに主要駅でも、バス通勤や徒歩20分といったマンションも苦しいようです。いわゆる大手でも(東京建物、大京あたりの)、マンションのモデルルームに行くと「このマンションに限っては値下げできないんですよ」とやや態度が軟化し始めているようなので、下げ局面は継続でしょう。
また、現在であればそれなりに土地は安く仕込めるようにはなっているので、これから開発される不動産はそこそこの値段でも利益は取れるはずで、お買い得感も出てくると思います。
厳しいのはここ数年で高騰している土地を掴んで、かつ建築費も高騰していたマンション。現在供給されているのはこの辺が多いので、まだ市場は高値感が継続すると思います。
しかし、1年過ぎれば周辺相場に引きずられ始めるのではないでしょうか。
そして日経新聞に「地価下落、2004年の水準に戻る」という記事が出始めれば日本株市場も相当しっかりすると、そこまでじっくり待ちたいな、と底入れの動きが見られる株価をみて焦りながら思ってます。
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
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