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5月のIPOは3件。上場市場別内訳で見ると、東証マザーズ、大証ヘラクレス、札証アンビシャスそれぞれ1社ずつとなった。例年5月は1月同様にIPOの件数が著しく減る時期である。4月末〜5月上旬にかけての日本特有の休暇制度(ゴールデンウィーク)が上場承認から上場日にいたるプロセスを中断するため、この時期を避ける動きがある。過去を振り返ってみても、2000年:4社、2001年:6社、2002年:4社、2003年:2社、2004年:4社、2005年:3社、2006年:3社と件数は非常に低調である。
IPOの件数に関しては例年通りであるが、大きく異なるのは初値の形成である。ここ数年間はIPOブームにも後押しされて、5月のIPOの初値は非常に高くなる傾向にあった。その背景には件数が少ない分だけ需給が改善し、数少ないIPOの初値に新興株式市場の資金が集中したことが大きな原因でもあった。ところが、今年5月の3銘柄の平均初値騰落率は28%と2007年の平均初値騰落率38%を下回る水準となった。この背景には、新興株式3市場の株価指数が昨年来安値を5月に更新するなど新興株式市場の低迷が投資家を市場から遠ざける原因になっていると考えられる。
そんな中にあって、今年IPOした59社のセカンダリーマーケットの動きを見ると、昨年から少し改善の動きが見られる。59社のうち5月末の株価が公開価格割れとなっている銘柄は24社と半数以下となった。とくに上場から3ヶ月以上を過ぎて公開価格を維持している企業のほうが多くなってきたことは、新興株式市場の低迷により公開価格が低く設定されるようになってきたと言えよう。
さて6月のIPOであるが、昨年の26社から今年は14社へと大幅に減少する。例年6月のIPOは3月決算企業の期越えで滑り込み上場が多くなる。今年も14社のうち9社が3月決算企業である。
今回は期越え上場について少し解説をしておきたい。
企業の決算は決算日から3ヶ月以内に開催する株主総会の場で最終決定となる。上場申請はその決算数値を用いて行われるため、3月決算企業の場合は6月の株主総会を終えた後に上場申請が始まり、結果として取引所の審査を経て9月以降にIPOが集中することになる。
ところがすべての3月決算企業は株主総会終了後に上場申請できるわけではなく、上場申請の準備が整うまでに時間のかかるケースがある。最も遅いケースだと翌年の株主総会開催日前日が上場のタイムリミットとなる。このように前期の決算数値を用いて上場申請するのだが、実際の上場日は翌期の決算日を過ぎているIPOを期越え上場と言うのである。
従って、上場申請はしたが取引所の審査等で時間がかかって、株主総会直前のIPOが間に合わない企業の上場は9月以降にずれることになる。
今月のIPOはすべて新興株式市場への上場で需給を壊すような規模の資金調達もなく、初値は比較的高くなるのではないかと推測する。またセカンダリーマーケットも新興市場株価指数の底入れで、売り込まれていた銘柄の買戻しにも期待したい。
最後に6月の注目IPOとして6月26日上場のUBICを挙げたい。個人情報保護法や新会社法の施行そして日本版SOX法となる金融商品取引法の施行を背景に企業のコンプライアンスは重要課題となってきた。そのコンプライアンスをIT技術で支援する企業がUBICである。また社長の守本氏は元自衛官というユニークな経歴の持ち主でもある。
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証券会社の国際部と海外現地法人に10年勤務。気象情報会社ウェザーニューズの財務部長、米国E-Commerce会社日本法人のCFO&COOを歴任後、2000年IRコンサルティング会社フィナンテックに入社。同社取締役。
日本テクニカルアナリスト協会検定会員。
著書に『No.1情報サイト 東京IPO編集長が教える!IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンク クリエイティブ出版)新聞、マネー誌、TV出演他、講演多数。
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