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6月のIPOは14件。上場市場別内訳で見ると、JASDAQ7社、東証マザーズ5社、大証ヘラクレス2社となった。今年のIPOは6月末までで73社と昨年比で20件の減少となっている。6月だけをみても、昨年の26社から12件の減となった。
初値の形成を見ると5月までの初値騰落率とは様変わりである。年初から5月までの平均初値騰落率は38%であったが、6月の14社の平均初値騰落率は92%まで上昇してきた。この背景としては5月中旬を境に新興市場株が底打ちし、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数などが堅調に推移したことによって個人投資家のIPO株買いに対する安心感が広まったことが挙げられる。
そんな中にあって、セカンダリーマーケットの動きを見ると、6月のIPO銘柄にはかなり大きな変化が見られる。これまでのIPOはそのほとんどが初値天井となっていたが、6月の14銘柄は初値騰落率が高いばかりか、上場日以降も買いが入り月末に初値を大きく上回っている銘柄が半数も存在する。また月末に公募価格を割れている銘柄は2社しか存在せず、フェアバリューを意識した正常な株価形成になってきたといえる。
この動きは5月以前にIPOした銘柄にも波及しており5月、6月の2ヶ月間で株価が大きく上昇した銘柄がいくつか出てきている。その代表銘柄が3月に上場したフリービット(東証M3843)と2月に上場したAQインタラクティブ(JQ3838)である。但し、株価は2極化の様相を呈しており、すべてのIPO株が上昇しているわけではない。5月末で公募価格割れとなっていた24銘柄のうち23銘柄は依然として公募価格割れの状態で株価が回復してきたと言ってもIPO株はまだまだ完全復活とは言えない。
さて7月のIPOであるが、昨年の8社から今年は5社へと減少する。この時期に年末の話をするのは早計であるが、このままのペースでいけば今年の年間IPO社数は150社を大きく割り込む水準まで落ち込みそうである。やっとIPO市場も好転してきたにもかかわらず件数が減ることは個人投資家にとっては非常に残念な事態であるが、需給を壊さないという意味においては病み上がりの新興株式市場には好ましいことである。
7月の注目銘柄はなんと言っても中国のオンラインゲーム企業ナインユー・インターナショナル・リミテッドである。資金調達額190億円、公募価格予想時価総額900億円超となる大型上場である。そしてなによりも主幹事証券会社をモルガン・スタンレー証券が務める銘柄が大証ヘラクレスに上場することもシンボリックな出来事になりそうだ。また、当期の予想利益ベースでPERが20倍程度と過去に上場した日本のオンラインゲーム企業よりもかなり割安な水準で公募価格が設定されそうだ。気がかりな点は株主名簿の上位にファイナンシャルインベスターが多いことである。株価は割安だが需給面で一抹の不安が残る。
4月にIPOした中国企業のアジア・メディア・カンパニーは上場後2ヶ月を経て株価は公募価格の2倍の水準となっており中国株の熱気は日本へ飛び火するかもしれない。
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証券会社の国際部と海外現地法人に10年勤務。気象情報会社ウェザーニューズの財務部長、米国E-Commerce会社日本法人のCFO&COOを歴任後、2000年IRコンサルティング会社フィナンテックに入社。同社取締役。
日本テクニカルアナリスト協会検定会員。
著書に『No.1情報サイト 東京IPO編集長が教える!IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンク クリエイティブ出版)新聞、マネー誌、TV出演他、講演多数。
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