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7月のIPOは4件と昨年同月の8件から半減してしまった。また注目銘柄として期待されていた中国のオンラインゲーム企業ナインユー・インターナショナル・リミテッドは上場延期となった。上場市場別内訳で見ると、大証ヘラクレス2社、JASDAQ1社、福証Qボード1社と東証上場がなく非常に寂しい月となった。1−7月のIPOの件数でも昨年の101件から今年は77件へと激減している。
初値の形成を見ると7月6日に上場したきちりは6月IPO銘柄の初値の流れを受け継いだが、7月下旬の3社は下げ相場の中で初値が公募価格割れとなる銘柄も出てきた。中でも7月31日上場のサムティは初値騰落率で▲23.33%となった。不動産流動化事業を営んでいる企業であるが、米国発のサブプライムローン問題の影響もあって不動産関連銘柄ということだけで買いが入らなかったようだ。
続いてセカンダリーマーケットの動きを見ると、新興株式市場は5月に一番底を付けた後に、7月に2番底をうかがう展開となった。そのような中で今年IPOした銘柄で5月、6月に買い上げられた一握りの銘柄はその後も堅調な値動きとなっている。ところが6月のIPO銘柄は平均初値騰落率が92%と高かったこともあり、14銘柄中3社を除いては初値を維持することができなかった。
さて8月のIPOであるが、昨年の11社から今年は13社へと微増となる予定である。
注目銘柄は東証に上場予定の中国企業、チャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューションズ・テクノロジーだ。事業内容は火力発電所向け排煙脱硫・脱硝システムの設計、建設、設置及びアフターサービスの提供を営んでおり、中国の環境ビジネス関連銘柄として注目されそうだ。その他に企業再生銘柄として注目されるのが巻上機及びクレーン等の製造、販売を営むキトーだ。キトーは不動産投資などで失敗し、2003年に投資ファンドであるカーライルが出資をしてジャスダックを上場廃止になった銘柄である。カーライルが75%近くの株式を保有しており需給面で不安が残るものの業績のほうは順調に伸びており上場後の株価を見守りたい。
先月のレポートで今年の年間IPO社数は150社を大きく割り込むと書いたが、証券会社にヒアリングをすると、1月−6月の73社よりも7−12月のほうが少なくなる可能性が高そうだ。金融商品取引法の施行で内部管理体制の強化を求められ、そのハードルが相当高くなってきたようだ。年間のIPO件数としては東証マザーズ、大証ヘラクレス等の新興株式市場の誕生以降最低の件数になる可能性も十分ありうる。
そのような環境の中で、下期にIPOが噂されている銘柄としてソニーフィナンシャルホールディングス、ウィルコム(PHS通信事業者)、MID都市開発(旧松下興産)、日興アセットマネジメントの名前が挙がっている。大手企業の子会社ということで内部管理体制がしっかりしており、業績面でも下ブレの可能性が低いことから株式市場の大きな崩れがなければ順当にIPOしてくると考えられる。
新興株式市場の株価低迷の影響で新興市場に上場する銘柄の公募価格バリュエーションは低く押えられると予想される。件数が少なくなり需給面での大きな不安要素もないため初値が公募価格割れとなった銘柄は短期間で見直し買いが入る可能性が高い。銘柄を見極めつつそのチャンスを見過ごさないようにしたいものである。
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証券会社の国際部と海外現地法人に10年勤務。気象情報会社ウェザーニューズの財務部長、米国E-Commerce会社日本法人のCFO&COOを歴任後、2000年IRコンサルティング会社フィナンテックに入社。同社取締役。
日本テクニカルアナリスト協会検定会員。
著書に『No.1情報サイト 東京IPO編集長が教える!IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンク クリエイティブ出版)新聞、マネー誌、TV出演他、講演多数。
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