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11月のIPOは7社と例年より若干少ない件数となった。上場市場別内訳は、JASDAQ:3社、JASDAQ/ NEO:1社、大証へラクレス:1社、名証2部:1社、名証セントレックス:1社であった。

7銘柄の平均初値騰落率は59%と今年の平均初値騰落率47.8%よりも高かったが、その内訳を見るとまちまちで公募価格割れが4銘柄ある一方でJASDAQの新市場NEOに上場したユビキタスが公募価格の4倍の初値を付けて平均騰落率を押し上げたのである。

また11月上旬には金融機関のサブプライムローン関連商品の損失が表面化して世界中の株式市場が調整局面を強いられ日本の新興株式市場も例外ではなかった。その影響で今年のIPO銘柄のパフォーマンスは更に悪化し、今年IPOした112銘柄のうち11月末の株価が公募価格を上回りかつ初値を維持しているものはわずか9銘柄となった。

しかしながら11月下旬には新興株式市場も落ち着きを見せ、株価の位置は初値まで戻っていないものの比較的最近IPOしたネットビジネス関連銘柄に資金が流れ込んでおりストップ高まで買われる銘柄も出てきた。その背景にはIPOの件数減少による市場からの資金調達額の大幅減が好需給を作り出しているとも言える。

さて12月のIPOは9社となるが、市場からの調達額は約160億円程度に留まる予定で需給が崩れることはないと想定する。注目したいのは11月に第一号が登場したJASDAQのNEO市場からIPOする2銘柄である。そのひとつのウェッブマネーはECの決済に利用される電子マネーを販売する会社であるが、利用者が急速に伸びており今後の事業成長に期待が持つことができ、第1号のユビキタス同様の人気銘柄になる可能性が高いと見ている。もうひとつのジャパン・ティッシュ・エンジニアリングのほうは、いわゆるバイオメディカル分野の事業で今期も10億円超の損失計上が見込まれている。NEO市場特有のマイルストン開示においても来期、再来期も損失が出る計画になっており、個人投資家にとって同社の株価の妥当性を量るのは非常に難しいと言えるだろう。

10月〜12月のIPO件数は28件と2000年以降最低の水準まで落ち込んでしまった。その背景には新興市場の低迷によりIPOしたとしても十分な資金調達が出来ないことに加えて、金融商品取引法の施行で内部統制のルールが厳格化されたことや来年からは四半期決算が義務化されたこともあって上場のハードルが一気に高くなってきたことがある。

その影響もあってのことか10月〜12月の28社の主幹事証券会社を見ると、上場申請会社が取引所の厳格な審査に耐えられるだけの十分な指導ができる野村証券と大和SMBC証券で20社と7割を占めている。今後もこのトレンドは続くと考えられており、両証券会社の主幹事案件が増えるものと考えられる。個人投資家においては、両証券会社に口座を開設してブックビルディングに参加するのが新規公開株式取得の確率を上げる方法論としてはベストではないだろうか。

2007年11月5日

10月IPO市場総括と11月の展望

2007年10月3日

9月IPO市場総括と10月の展望
2007年9月3日 8月IPO市場総括と9月の展望
2007年8月6日 7月IPO市場総括と8月の展望
2007年7月4日 6月IPO市場総括と7月の展望
2007年6月6日 5月IPO市場総括と6月の展望
2007年5月1日 4月IPO市場総括と5月の展望
2007年4月4日 3月IPO市場総括と4月の展望
2007年3月7日 2007年2月IPO市場総括と3月の展望
2007年1月4日 2000年以降のIPO市場総括と2007年の展望

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証券会社の国際部と海外現地法人に10年勤務。気象情報会社ウェザーニューズの財務部長、米国E-Commerce会社日本法人のCFO&COOを歴任後、2000年IRコンサルティング会社フィナンテックに入社。同社取締役。
日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

著書に『No.1情報サイト 東京IPO編集長が教える!IPO株の本当の儲け方』(ソフトバンク クリエイティブ出版)新聞、マネー誌、TV出演他、講演多数。

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