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年金記録漏れ問題で一気に広まった感のある公的年金への関心。少子高齢化による制度維持の不安は以前から言われていましたが、加入記録の間違いで本来の年金額がもらえない可能性があるとは、想定外の驚きです。今後も自分の年金加入歴に目を光らせておくためにも、女性のライフプランに公的年金がどう関わるかつかんでおきましょう。


20歳になれば「国民年金」への加入義務があるのはご存じでしょう。国民年金は公的年金の基礎となる年金で、このときに付いた「基礎年金番号」が今後の年金加入記録に共通するものとなります(97年1月以前から加入している人はその時点の番号)。
保険料支払いが苦しい学生やフリーターなどのなかには未加入の人が少なくありませんが、保険料免除の申請をすることで負担なしに加入扱いにすることができます。免除期間中の保険料を後で納付しない限り、きちんと保険料を支払っていた人より将来もらえる年金額は少なくなりますが、同じ保険料を納めないのでも免除申請しているのと手続きせず未加入なのとでは大違い。未加入のままだと、年金受給の要件となる加入期間25年を満たさなくなる可能性があります。また、事故などで障害者となった場合に、「障害年金」をもらう権利がありません。もしもに備え、頭に入れておく必要があります。

就職すれば、勤め先が民間企業の場合は「厚生年金」、役所などの場合は「共済年金」に加入することになります。厚生年金も共済年金も、基礎的な部分は国民年金で成り立っており、その上乗せがあるかたちです。いずれも給与天引きで保険料を支払います。

■公的年金制度の体系図


転職した場合は転職先の制度に加入しますが、独立した場合は要注意。会社を起こして厚生年金に加入するか、個人事業主として国民年金に加入することになります。きちんと加入手続きをとらないと後で後悔するかも知れないことは、前述のとおりです。


女性のライフプランの節目ともいえる結婚。仕事を続けるのなら、その制度に加入します。
仕事を辞めて専業主婦になる場合、結婚相手が自営業者など国民年金の「第一号被保険者」であれば、妻も第一号被保険者となり国民年金保険料を支払う必要があります。相手がサラリーマンや公務員などの「第二号被保険者」の場合は、妻の年収が130万円未満だと「第三号被保険者」として夫の制度に加入するかたちになり、保険料負担はありません。第三号被保険者の手続きは、夫の勤め先をとおして社会保険事務所に届け出ます。
女性のライフプランは、転職・独立に加えて第三号被保険者になる期間があることも考えられますから、年金加入歴をよく把握しておくことが大切です。

さて、離婚は予期せぬライフプランのひとつかもしれません。平成16年年金改正で、離婚時の年金分割制度が創設されました。平成19年4月以降に離婚した場合、協議により婚姻期間中の厚生年金(基礎年金部分は対象外)の2分の1を上限に、夫婦間で年金記録を分割するというもの。平成20年4月からは、平成20年4月以降の第三号被保険者期間中にかぎって、50%が自動的に分割されます(平成20年4月以降に離婚すれば、それ以前の年金も自動的に分割されるわけではないので注意)。

収入が低かったり、専業主婦で収入ゼロといった女性にとって、年金分割が制度として認められるようになったのは朗報。その後再婚することがあっても、書き換えられた年金記録はそのまま変わりません。離婚・再婚を繰り返して離婚太りする可能性も(笑)

一方、夫より高給取りのケース、夫が自営業・自由業で厚生年金に加入し
ていないというケースでは、妻の年金記録が夫に分割されることになります。キャリア女性は要注意かもしれません。

まだ現役の夫と死別する可能性もあります。その場合、夫が年金加入要件を満たしている、妻の年収が850万円未満、支給対象となる子どもがいるなどの要件をもとに、遺族基礎年金・遺族厚生年金が受け取れます。ここで詳しく述べるスペースはありませんが、遺族年金は夫の死亡保障のベースとなるもの。是非その存在を、記憶の片隅に置いておいてください。

そうこうするうちに、老齢年金を受給する老後がやってきます。随分先のことで「本当にもらえるの?」と不安を持つ人が少なくありませんが、時代の状況に合わせて制度維持のための改正は今後も行われていきます。
ゆとりある生活を送るのに十分な年金額ではないかもしれませんが、老後生活を支える収入としての役割は今後も変わらないでしょう。


第5回「平均値、目安、割安・・・振り回されないように注意しよう
第4回「シングル女性の住宅購入はここをチェック
第3回「今の100万円と30年後の100万円は同じ?
第2回「入院の現実的なリスク
第1回「会社員とフリーランスの損得勘定は?



日本FP協会会員 CFP、1級FP技能士

1959年兵庫県生まれ。1982年同志社大学卒業後、日興證券に入社、証券営業に携わる。1988年独立系FP会社 (株)エムエムアイに入社、ファイナンシャル・プランナーとなる。1993年フリーでの活動をスタート。生活者対象のファイナンシャル・プランニングを担当するほか、執筆、講演活動もこなす。
現在、FPサービス会社(有)生活設計塾クルー取締役。
個人事務所リアサイト代表。
著書に、『知ってトクする生命保険と個人年金の上手な掛け方選び方』(日本実業出版社)、『掛けムダのない生命保険と年金の入り方・見直し方』(共著)(日本実業出版社)等、多数。
 

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