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今回から隔週（月２回）でコラムを執筆させていただくこととなり大変嬉しく思っています。
これまでよりも更新スパンが少し縮まりましたので、より広い視野から外国為替相場を分析し、皆さんの投資判断にお役立ていただけるよう尽力してまいります。どうぞ、宜しくお願いいたします。
さて、リニューアル１回目の今回は「金」の話から…。
先日、新聞に「（０８年）１月の金の買い取り量 ３．４倍 最高に」という見出しが躍っていました。地金取引大手の田中貴金属工業によると、１月の投資用の「金｣地金の買い取り量は前年同月の３．４倍に達し、単月として１９７３年の金輸入自由化以来の過去最高を記録したとのことです。
筆者の個人的な感想を言えば「もったいない」、「まだまだ値上がり余地があるのに…」ということになるのですが、いかんせん「金」は基本的にドル建て資産でありますから、少なからぬ投資家の方々は「今後、しばらくドル安・円高トレンドは続く」と考え、円建て換算で値下がりする前に売ってしまおうと考えたのだろうと思われます。
そもそも…このところ「金」の国際取引価格が際立った上昇トレンドを描いてきた主な理由を整理すると以下のようになるでしょう。
�．ぅ好薀牴畄稠匹砲茲襯謄躬�件の頻発や、米国に「テロ支援国家」と名指しされた国々で核開発が進むとの思惑などを背景に世界各地で「地政学リスク」が高まっている。
⇒リスクの高まりによって、昔から「ラスト・リゾート」とされるコモディティ、「金」の価値が再評価されている。
�⊃袈十�国の目覚しい経済発展を背景に資源価格全般が高騰しており、世界的に同時インフレの兆候が強まっている。
⇒「インフレに強い金」のイメージが投資資金を呼び込んでいる。
��世界の過剰流動性（カネ余り）が膨張し、それが国際商品市場に流れ込むことによって、多分に投機的な価格上昇が見られている。
⇒オイルマネーや年金基金、ヘッジファンドなどの大口資金が有望な運用対象として「金」に対する注目を高めている。
�ぅ汽屮廛薀ぅ狃斬陬蹇璽麑簑蠅覆匹留洞舛琶瞳从僂亮座�懸念が高まっており、米国やドルの威信が低下している。
⇒各国の外貨準備や世界の投資家が手持ちの資産をドルから「金」へとシフトさせている。
�ダこΔ亮舁弭饂埔譴�「金ＥＴＦ」の上場が相次いでいる。
⇒日本でも０８年４月頃にいよいよ「金を裏づけとする金ＥＴＦ」が上場するものと見込まれており、その規模は英国のＥＴＦ市場の３倍程度にはなるものと見られる。
��国際取引市場で白金価格の高騰が止まらず、それに連れる形で「金」の価格も高止まりしている。
⇒白金産出国の南アフリカでは電力不足が深刻。白金は自動車部品向けなどに実需が旺盛で、在庫不足に対する懸念は根強い。
他にも金価格上昇の原因は多岐に渡りますが…何より注目したいのは、上記の中で言えば�ぁ�
かねてより、ドルと金の価格は逆相関の関係にあると言われ、俗に「アンチ・ダラー」などとも言われていますが、近年はその傾向がますます強まっているように感じられます。
ちなみに、米国は世界第２位の金産出国なのですが、残念ながら金価格の上昇はドルの買い材料とはなりません。その一方で、同じように世界有数の金産出国通貨である南アフリカランドや豪ドル、ＮＺドル、カナダドルなどは、金価格の上昇に連動することが少なくありません。加えて、世界有数の金「保有国」通貨であるスイスフランも金価格との連動性は高いと言えるでしょう。
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