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想定していたよりもずっと早い段階で、ＮＹ市場においてＷＴＩ原油先物（期近物）価格が１バレル＝１００ドルを割り込むこととなりました。９月１４日のＮＹ市場では一時、９９ドルを割り込む場面もあり、市場では世界景気の悪化に伴う需要鈍化懸念が重視されている模様です。
前回の本欄では、テクニカル分析の観点から原油先物価格の当面の下値メドを「０７年１月安値＝４９．４０ドルから０８年７月高値＝１４７．２７ドルまでの上げ幅に対して、３８．２％押しで１１０ドル前後、５０．０％押しで９８ドル前後」と示しておきましたが…。結局、一旦は３８．２％押しの水準で下げ止まる動きを見せたものの、９月半ばにかけて一気に５０％押しの水準を試す展開となりました。
さすがに、１００ドル割れの水準では「そろそろリバウンドが生じる」と考えるのが妥当であろうと思われますが、足元では米金融不安が一段と深刻化しかねない状況もあり、ここは慎重に様子を眺めたいところです。
ちなみに、前述した前提から６１．８％押しの水準を弾き出しておくと、次の下値メドは８７ドル前後ということに…。
もっとも、これまでどおり原油価格とドルの逆相関が引き続いて見られるとすれば、米金融不安の深刻化でドルが売られ、逆に原油が買い戻される（＝ドル離れしたマネーが再び原油市場に還流する）可能性も否定はできません 。
一方、原油先物価格と「正」の相関関係が認められるユーロ／ドルも一段の調整を強いられる状況となっています。
前回の本欄では、１．４５〜１．４６ドルあたりで一旦下げ止まっていたユーロ／ドルについて
「基本的にユーロ／ドルの下降トレンドは継続しているものと見られ、足元で下げ止まっている状況は、あくまで下降トレンドの過程における中断保ち合いのパターンを形成しているに過ぎないと考えることができそう」
「足元の中断保ち合いを下放れた場合の次の下値メドは、�。娃鞠�１１月安値から０８年７月高値までの上げ幅の３８．２％押し＝１．４３５ドル、�■娃鞠�１１月安値から０８年７月高値までの上げ幅の５０．０％押し＝１．３８３ドルあるいは、０４年１２月高値＝１．３６６ドルあたりと見ておくのが適当ではないかと思われます。」と指摘しておきましたが…。
案の定、いともあっさりと中段保ち合いを下放れ、９月１１日には一時的にも１．３８８０ドルと、上記の�◆瓠孱毅亜鷁，掘廚凌綵爐鮖遒垢茲Δ米阿�を見せるに至りました。さすがに、ここまで急落してくるとリバウンドも生じやすい状態であり、結局、翌１２日には１．４２ドル台まで出直る動きとなっています。
ちなみに、９月は１５日が敬老の日で祝日となることから、本稿は１６日以降の更新を前提に、その実、１５日の午後に執筆しています。もちろん、先週末１２日からニューヨーク連銀が米財務長官ら政府首脳や主要金融機関の経営陣を集めた官民の緊急会合を召集し、件のリーマン問題を話し合うとしていたため、その結果を見定めたいという事情もありました。
件の緊急会合は、３日目となる１４日、リーマンの不動産関連資産など不良資産を除いた残りを買収する最有力候補とみられていた英銀大手バークレイズが交渉から撤退。同様に、リーマンの有力な身売り先と見られていたバンク・オブ・アメリカがメリルリンチの買収へと方針を切り替えたことも明らかとなり、ついにリーマン・ブラザーズは経営破たんし、連邦破産法１１条に基づく会社更生手続きの適用を申請すると発表するに至りました。
リーマンによる破産法適用申請の可能性が現実味を帯び始めてから、週明けの外国為替市場ではドルが急落。
ドル／円は、先週末のＮＹ引けの水準＝１０７円後半から「窓」を空けて寄り付き、一時的にも１０５円前半まで急落する場面が見られました（１５日１５：００現在）。一方、一気にドルが売り込まれたことでユーロ／ドルは急上昇。先週末のＮＹ引けの水準＝１．４２ドル代前半から上方に「窓」を空けて寄り付き、一時は１．４５ドルを試すような動きも見られています。
果たして…このたびの米大手証券の経営破たんによって、米金融不安は一段と深刻化し、それに伴ってドルが売られ、ユーロが買われる展開は今後しばらく続くのでしょうか？ |
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