東京IPO特別コラム:ホルムズ海峡開放の道は遠い? 〜トランプ大統領は、習近平主席と何を話したか?〜
〜語られないものを視る眼〜
今年5月半ば、トランプ大統領は、訪中しました。休戦中とはいえ、交戦中の米大統領が外遊することは、極めて異例です。その割には、外遊の成果について目ぼしいものが、今一つ報じられません。そこで、どんな本音トークが起きたのか、探ってみたいと思います。
イラン・台湾ディールはあったのか?
報じられているテーマは、第1に貿易問題、第2にイラン問題、第3に台湾問題と言われています。*
まず、貿易についてみてみましょう。今年11月に中間選挙を控えるトランプ大統領としては、農業州やほぼ全米各州に工場を持ち、地域雇用に貢献しているボーイング社のために大豆や飛行機の大口受注が欲しいところです。事実、外遊前には、ボーイング750機、とトランプ大統領は豪語していましたが、ふたを開けたらはっきりした機数も伝えらえない始末でした。**(後に、半分以下の200機とも報じられました。)***
得意のトランプ関税も、中国のレアアース輸出制限の前に、互いに関税を引き上げない代わりに、輸出制限を厳しくしないという、昨年11月の「休戦」継続が確認されたに過ぎないのでしょう。
では次のテーマ、イラン問題です。当然ホルムズ海峡の向こう側のアラブ産油国から大量の石油を輸入している中国としては、トランプ大統領に真っ先に問いただしたい問いは、「いつまでホルムズ海峡を閉鎖させるつもりか?」でしょう。
その実、終結の目途に関して主導権を握っているのは、アメリカ、いやその背後のイスラエルです。このイラン戦争が始まる直前の交渉では、イランはあくまで核の平和利用を目的としているのであり、その副産物にして米イスラエルが敵視する濃縮ウランは、全て国外へ持ち出しても構わない(既にロシアが引き取り先として名乗りを挙げています)、と言っていました。これは、原材料である濃縮ウランを手元に置かないのですから、実質的核兵器放棄です。よって、もし本当にアメリカがイランに核兵器を持たせたくないというだけの話なら、これで合意が取れて然るべき話です。事実、イラン外相は、合意成立は間近と楽観していました。****しかるに、イラン側の楽観ムードが出た隙をついたか、その直後からイラン戦争を米イスラエルが開始したのです。
要するに、イラン「核」問題のために、誰も戦争していないのです。従って、アメリカにホルムズ海峡を開放する気があるのか、開放するのはいつか、イランに聞くのではなく、アメリカかその背後にいるイスラエルに聞くのが、筋なのです。
トランプ大統領でさえ、分からないかもしれません。何せ、トランプ大統領がイスラエル抜きで合意を採ろうとすれば、同盟国イスラエルが、アメリカへの事前通知なしに、イランに向けてミサイルを発射し、交渉を壊せばいいのですから。
恐らく、イスラエルがイランを主軸とする「抵抗の枢軸」、すなわちパレスチナのハマス、レバノンやシリア南部にいるヒズボラ、イエメンにいるフーシ派を根絶やしにするまでは、無理でしょう。その実、イラン戦争に世界の注目が逸れている今でも、ハマスの攻撃が弱まったパレスチナ人虐殺を続け、南レバノンに派兵、一部占拠しています。*****そして、未だにこの軍事作戦は終了したとの報道はありません。
なお、イスラエルのネタニヤフ首相に聞ける状態ではありません。ネタニヤフ首相の連合政権が、解散目前なのです。ネタニヤフ首相の右派政党と連合していた超右派政党が、ネタニヤフ首相が連合時に約束していた、超正統派の信徒に対し徴兵の廃止をなかなか実施しないため、造反し、イスラエル国会で5月20日解散が可決されました。******正式な手続きを踏めば、90日以内に総選挙を実施し、第一党が選ばれることになります。
そのため、ネタニヤフ首相が続投するのか、不透明であり、意思決定できる状態にはありません。そこで、トランプ大統領はイランとの交渉を、のらりくらりと進めざるをえないものと考えられます。
さて話を米中サミットに戻せば、当然トランプ大統領の回答は、報じられません。しかし、この問題について報じられているのは、中国がイランに武器を売らないと約束したことだけです。すぐにイラン戦争を終わらせるつもりなら、このような約束に価値はあまりないでしょう。
さらに、歴代アメリカ政権が避けてきた、台湾への武器輸出がテーマになったと、トランプ大統領自身、認めています。******これについても、結果どうなったかは報じられていません。しかし、トランプ大統領はこのテーマは、大事な対中カードだから、と言っています。そして、既に議会承認を得た台湾への武器輸出許可に大統領が署名する段階であるにも関わらず、トランプ大統領はその署名を保留しています。
こうした状況を総合すると、
・貿易:トランプ関税は、中国のレアアース輸出規制に相殺され、引き分け(現状維持)
・イラン=台湾:ホルムズ海峡開放が当分ないため、中国のイランへの武器輸出停止とアメリカの台湾への武器輸出停止が秘密合意(どちらかが破るまでか、イラン戦争終了まで)
というディールがあったのではないでしょうか。
故に、主要テーマが引き分けなので、中国が「お土産」をトランプ大統領に大盤振る舞いする必要がないということと、辻褄が合います。また、交戦中のトランプ大統領がわざわざ訪中したのも、イラン戦争終結見込みや秘密合意が表沙汰になるのを防ぐためと考えれば、納得がいきます。実際、昨年イスラエル抜きでイランと核合意寸前に行った際に、ウォルツ大統領補佐官がイスラエル政府に密告したために、不成立になった疑惑があります。*******
中国・ロシアパイプラインは価格で折り合わず
さて、トランプ大統領が北京を去った数日後、ロシアのプーチン大統領が訪中しました。このサミットの目的もあまり報じられませんが、中ロ問題の懸案事項と言えば、当然エネルギー協定です。事実、中国にはロシアから石油パイプラインがありますが、それをもう1本建設し、輸出量を倍増させようという商談があります。今回のサミットで商談成立の可能性がありましたが、価格で折り合わず合意に至らなかったと言います。********
さらに不可思議なのは、プーチン大統領の訪中が直前まで報じられなかったことです。
こうした文脈を総合的に考えると、ロシアが中国にもっと石油を買わないかと迫ったところ、中国は、トランプ大統領にホルムズ海峡開放の見込みを聞くまで待って、と言いました。そして、トランプ大統領にまだまだ時間がかかると聞かされた習主席は、ロシアと石油輸入を増やす方向で検討せざるを得ず、早速プーチン大統領を受け入れることにしました。早速プーチン大統領は来たものの、中国がロシアから石油輸入を増やさざるを得ないと悟ったことを察し、恐らく以前よりも高い価格を提示したのでしょう。故に、習主席が合意に渋った、と考えられます。
UAEとインドの軍事協力パートナーシップ
ちょうどトランプ大統領の訪中の頃、UAEは前回お話しました、ホルムズ海峡を通過しないアブダビパイプラインの輸送量を2027年末までに倍増させると発表しました。*********さらに、UAEはインドとの軍事協力パートナーシップを発表しました。直接的な背景には、UAEファジア港から出航したインド籍石油タンカーが攻撃され、インド船員も死亡した事件がありました。そこで、海上安全保障やインドの石油備蓄協力その他の面で協力を強化すると言います。**********
これは、サウジアラビアが既にパキスタンと軍事同盟を結んだため、パキスタンの敵であるインドと、これまたサウジアラビアとライバル関係にあるUAEが、手を結んだと解釈できます。米海軍はイラン戦争(ホルムズ海峡逆封鎖)で手一杯で、イスラエル海軍は期待できず、手近のインド海軍に応援を仰いだといえます。
そして、角度を変えれば、UAEもホルムズ海峡開放は遠い将来であると見越した上で、アジア顧客を少しでも安心させるため、UAEの輸出量を増やし、UAE周辺の安全保障をインドの協力を得ることにする手筈を整えたことになります。
これも、ホルムズ海峡開放の道のりは遠いと考えた方がよいという補強材料ではないでしょうか。
* Rush Doshi, “The Trump-Xi Summit Gives Beijing a Chance to “Manage” Washington” in “At the Trump-Xi Summit, China Will Have the Upper Hand”, Council of Foreign Affairs website, May 10, 2026.
https://www.cfr.org/articles/at-the-trump-xi-summit-china-will-have-the-upper-hand
** “Trump Calls Xi a ‘Friend.’ But He Left China Without Any Breakthroughs.”, New York Times, May 16, 2026.
https://www.nytimes.com/2026/05/16/world/asia/trump-xi-china-summit.html
*** 「中国、ボーイング機200機購入へ 米との関税休戦延長目指す」ロイター通信、2026年5月20日。
https://jp.reuters.com/world/us/MWBZEGH3MZOPVNACE2RR2DJWBQ-2026-05-20/
**** “Iran says ‘good progress’ made in nuclear talks with US in Geneva”, Al Jazeera, February 18, 2026.
https://www.aljazeera.com/news/2026/2/18/irans-araghchi-hails-good-progress-in-nuclear-talks-with-us
***** “Israel Announces Plan to Occupy Southern Lebanon”, Council of Foreign Affairs website, April 1, 2026.
https://www.cfr.org/articles/israel-announces-plan-to-occupy-southern-lebanon
****** “Israeli lawmakers advance bill to dissolve parliament”, Al Jazeera, May 20, 2026.
https://www.aljazeera.com/news/2026/5/20/israeli-lawmakers-advance-bill-to-dissolve-parliament
******* “Trump Discussed U.S. Arms Sales With Xi ‘In Great Detail’”, New York Times, May 15, 2026.
https://www.nytimes.com/2026/05/15/world/asia/trump-china-arms-sales.html
******* “PM’s office denies report Netanyahu had ‘intensive contact’ with Waltz over Iran”, May 3, 2025.
https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/pms-office-denies-report-netanyahu-had-intensive-contact-with-waltz-over-iran/
******** “Xi and Putin condemn ‘irresponsible’ US foreign policy at Beijing summit”, The Guardian, May 20, 2026.
https://www.theguardian.com/world/2026/may/20/china-russia-xi-jinping-vladimir-putin-meet-beijing-after-trump-visit
********* “UAE to complete second oil pipeline bypassing strait of Hormuz by 2027”, The Guardian, May 15, 2026.
https://www.theguardian.com/business/2026/may/15/uae-oil-pipeline-strait-of-hormuz-by-2027
********** “India-UAE Strategic Defence Pact Reshapes Gulf Power Balance: Modi-MBZ Security Deal Signals New Indo-Pacific Axis Amid Rising Regional Tensions”, Defense Security Asia website, May 15, 2026.
https://defencesecurityasia.com/en/india-uae-strategic-defence-pact-gulf-power-balance-modi-mbz-security-framework/
吉川 由紀枝 ライシャワーセンター アジャンクト・フェロー
慶応義塾大学商学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)東京事務
所にて通信・放送業界の顧客管理、請求管理等に関するコンサルティングに従事。2005年
米国コロンビア大学国際関係・公共政策大学院にて修士号取得後、ライシャワーセンター
にて上級研究員をへて2011年1月より現職。また、2012-14年に沖縄県知事公室地域安
全政策課に招聘され、普天間飛行場移転問題、グローバル人材育成政策立案に携わる。
今年5月半ば、トランプ大統領は、訪中しました。休戦中とはいえ、交戦中の米大統領が外遊することは、極めて異例です。その割には、外遊の成果について目ぼしいものが、今一つ報じられません。そこで、どんな本音トークが起きたのか、探ってみたいと思います。
イラン・台湾ディールはあったのか?
報じられているテーマは、第1に貿易問題、第2にイラン問題、第3に台湾問題と言われています。*
まず、貿易についてみてみましょう。今年11月に中間選挙を控えるトランプ大統領としては、農業州やほぼ全米各州に工場を持ち、地域雇用に貢献しているボーイング社のために大豆や飛行機の大口受注が欲しいところです。事実、外遊前には、ボーイング750機、とトランプ大統領は豪語していましたが、ふたを開けたらはっきりした機数も伝えらえない始末でした。**(後に、半分以下の200機とも報じられました。)***
得意のトランプ関税も、中国のレアアース輸出制限の前に、互いに関税を引き上げない代わりに、輸出制限を厳しくしないという、昨年11月の「休戦」継続が確認されたに過ぎないのでしょう。
では次のテーマ、イラン問題です。当然ホルムズ海峡の向こう側のアラブ産油国から大量の石油を輸入している中国としては、トランプ大統領に真っ先に問いただしたい問いは、「いつまでホルムズ海峡を閉鎖させるつもりか?」でしょう。
その実、終結の目途に関して主導権を握っているのは、アメリカ、いやその背後のイスラエルです。このイラン戦争が始まる直前の交渉では、イランはあくまで核の平和利用を目的としているのであり、その副産物にして米イスラエルが敵視する濃縮ウランは、全て国外へ持ち出しても構わない(既にロシアが引き取り先として名乗りを挙げています)、と言っていました。これは、原材料である濃縮ウランを手元に置かないのですから、実質的核兵器放棄です。よって、もし本当にアメリカがイランに核兵器を持たせたくないというだけの話なら、これで合意が取れて然るべき話です。事実、イラン外相は、合意成立は間近と楽観していました。****しかるに、イラン側の楽観ムードが出た隙をついたか、その直後からイラン戦争を米イスラエルが開始したのです。
要するに、イラン「核」問題のために、誰も戦争していないのです。従って、アメリカにホルムズ海峡を開放する気があるのか、開放するのはいつか、イランに聞くのではなく、アメリカかその背後にいるイスラエルに聞くのが、筋なのです。
トランプ大統領でさえ、分からないかもしれません。何せ、トランプ大統領がイスラエル抜きで合意を採ろうとすれば、同盟国イスラエルが、アメリカへの事前通知なしに、イランに向けてミサイルを発射し、交渉を壊せばいいのですから。
恐らく、イスラエルがイランを主軸とする「抵抗の枢軸」、すなわちパレスチナのハマス、レバノンやシリア南部にいるヒズボラ、イエメンにいるフーシ派を根絶やしにするまでは、無理でしょう。その実、イラン戦争に世界の注目が逸れている今でも、ハマスの攻撃が弱まったパレスチナ人虐殺を続け、南レバノンに派兵、一部占拠しています。*****そして、未だにこの軍事作戦は終了したとの報道はありません。
なお、イスラエルのネタニヤフ首相に聞ける状態ではありません。ネタニヤフ首相の連合政権が、解散目前なのです。ネタニヤフ首相の右派政党と連合していた超右派政党が、ネタニヤフ首相が連合時に約束していた、超正統派の信徒に対し徴兵の廃止をなかなか実施しないため、造反し、イスラエル国会で5月20日解散が可決されました。******正式な手続きを踏めば、90日以内に総選挙を実施し、第一党が選ばれることになります。
そのため、ネタニヤフ首相が続投するのか、不透明であり、意思決定できる状態にはありません。そこで、トランプ大統領はイランとの交渉を、のらりくらりと進めざるをえないものと考えられます。
さて話を米中サミットに戻せば、当然トランプ大統領の回答は、報じられません。しかし、この問題について報じられているのは、中国がイランに武器を売らないと約束したことだけです。すぐにイラン戦争を終わらせるつもりなら、このような約束に価値はあまりないでしょう。
さらに、歴代アメリカ政権が避けてきた、台湾への武器輸出がテーマになったと、トランプ大統領自身、認めています。******これについても、結果どうなったかは報じられていません。しかし、トランプ大統領はこのテーマは、大事な対中カードだから、と言っています。そして、既に議会承認を得た台湾への武器輸出許可に大統領が署名する段階であるにも関わらず、トランプ大統領はその署名を保留しています。
こうした状況を総合すると、
・貿易:トランプ関税は、中国のレアアース輸出規制に相殺され、引き分け(現状維持)
・イラン=台湾:ホルムズ海峡開放が当分ないため、中国のイランへの武器輸出停止とアメリカの台湾への武器輸出停止が秘密合意(どちらかが破るまでか、イラン戦争終了まで)
というディールがあったのではないでしょうか。
故に、主要テーマが引き分けなので、中国が「お土産」をトランプ大統領に大盤振る舞いする必要がないということと、辻褄が合います。また、交戦中のトランプ大統領がわざわざ訪中したのも、イラン戦争終結見込みや秘密合意が表沙汰になるのを防ぐためと考えれば、納得がいきます。実際、昨年イスラエル抜きでイランと核合意寸前に行った際に、ウォルツ大統領補佐官がイスラエル政府に密告したために、不成立になった疑惑があります。*******
中国・ロシアパイプラインは価格で折り合わず
さて、トランプ大統領が北京を去った数日後、ロシアのプーチン大統領が訪中しました。このサミットの目的もあまり報じられませんが、中ロ問題の懸案事項と言えば、当然エネルギー協定です。事実、中国にはロシアから石油パイプラインがありますが、それをもう1本建設し、輸出量を倍増させようという商談があります。今回のサミットで商談成立の可能性がありましたが、価格で折り合わず合意に至らなかったと言います。********
さらに不可思議なのは、プーチン大統領の訪中が直前まで報じられなかったことです。
こうした文脈を総合的に考えると、ロシアが中国にもっと石油を買わないかと迫ったところ、中国は、トランプ大統領にホルムズ海峡開放の見込みを聞くまで待って、と言いました。そして、トランプ大統領にまだまだ時間がかかると聞かされた習主席は、ロシアと石油輸入を増やす方向で検討せざるを得ず、早速プーチン大統領を受け入れることにしました。早速プーチン大統領は来たものの、中国がロシアから石油輸入を増やさざるを得ないと悟ったことを察し、恐らく以前よりも高い価格を提示したのでしょう。故に、習主席が合意に渋った、と考えられます。
UAEとインドの軍事協力パートナーシップ
ちょうどトランプ大統領の訪中の頃、UAEは前回お話しました、ホルムズ海峡を通過しないアブダビパイプラインの輸送量を2027年末までに倍増させると発表しました。*********さらに、UAEはインドとの軍事協力パートナーシップを発表しました。直接的な背景には、UAEファジア港から出航したインド籍石油タンカーが攻撃され、インド船員も死亡した事件がありました。そこで、海上安全保障やインドの石油備蓄協力その他の面で協力を強化すると言います。**********
これは、サウジアラビアが既にパキスタンと軍事同盟を結んだため、パキスタンの敵であるインドと、これまたサウジアラビアとライバル関係にあるUAEが、手を結んだと解釈できます。米海軍はイラン戦争(ホルムズ海峡逆封鎖)で手一杯で、イスラエル海軍は期待できず、手近のインド海軍に応援を仰いだといえます。
そして、角度を変えれば、UAEもホルムズ海峡開放は遠い将来であると見越した上で、アジア顧客を少しでも安心させるため、UAEの輸出量を増やし、UAE周辺の安全保障をインドの協力を得ることにする手筈を整えたことになります。
これも、ホルムズ海峡開放の道のりは遠いと考えた方がよいという補強材料ではないでしょうか。
* Rush Doshi, “The Trump-Xi Summit Gives Beijing a Chance to “Manage” Washington” in “At the Trump-Xi Summit, China Will Have the Upper Hand”, Council of Foreign Affairs website, May 10, 2026.
https://www.cfr.org/articles/at-the-trump-xi-summit-china-will-have-the-upper-hand
** “Trump Calls Xi a ‘Friend.’ But He Left China Without Any Breakthroughs.”, New York Times, May 16, 2026.
https://www.nytimes.com/2026/05/16/world/asia/trump-xi-china-summit.html
*** 「中国、ボーイング機200機購入へ 米との関税休戦延長目指す」ロイター通信、2026年5月20日。
https://jp.reuters.com/world/us/MWBZEGH3MZOPVNACE2RR2DJWBQ-2026-05-20/
**** “Iran says ‘good progress’ made in nuclear talks with US in Geneva”, Al Jazeera, February 18, 2026.
https://www.aljazeera.com/news/2026/2/18/irans-araghchi-hails-good-progress-in-nuclear-talks-with-us
***** “Israel Announces Plan to Occupy Southern Lebanon”, Council of Foreign Affairs website, April 1, 2026.
https://www.cfr.org/articles/israel-announces-plan-to-occupy-southern-lebanon
****** “Israeli lawmakers advance bill to dissolve parliament”, Al Jazeera, May 20, 2026.
https://www.aljazeera.com/news/2026/5/20/israeli-lawmakers-advance-bill-to-dissolve-parliament
******* “Trump Discussed U.S. Arms Sales With Xi ‘In Great Detail’”, New York Times, May 15, 2026.
https://www.nytimes.com/2026/05/15/world/asia/trump-china-arms-sales.html
******* “PM’s office denies report Netanyahu had ‘intensive contact’ with Waltz over Iran”, May 3, 2025.
https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/pms-office-denies-report-netanyahu-had-intensive-contact-with-waltz-over-iran/
******** “Xi and Putin condemn ‘irresponsible’ US foreign policy at Beijing summit”, The Guardian, May 20, 2026.
https://www.theguardian.com/world/2026/may/20/china-russia-xi-jinping-vladimir-putin-meet-beijing-after-trump-visit
********* “UAE to complete second oil pipeline bypassing strait of Hormuz by 2027”, The Guardian, May 15, 2026.
https://www.theguardian.com/business/2026/may/15/uae-oil-pipeline-strait-of-hormuz-by-2027
********** “India-UAE Strategic Defence Pact Reshapes Gulf Power Balance: Modi-MBZ Security Deal Signals New Indo-Pacific Axis Amid Rising Regional Tensions”, Defense Security Asia website, May 15, 2026.
https://defencesecurityasia.com/en/india-uae-strategic-defence-pact-gulf-power-balance-modi-mbz-security-framework/
吉川 由紀枝 ライシャワーセンター アジャンクト・フェロー
慶応義塾大学商学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)東京事務
所にて通信・放送業界の顧客管理、請求管理等に関するコンサルティングに従事。2005年
米国コロンビア大学国際関係・公共政策大学院にて修士号取得後、ライシャワーセンター
にて上級研究員をへて2011年1月より現職。また、2012-14年に沖縄県知事公室地域安
全政策課に招聘され、普天間飛行場移転問題、グローバル人材育成政策立案に携わる。
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