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去る10月12日、ポールソン米財務長官は「当初予定していた不良資産買い取りを当面、見合わせる」と発言し、これが物議を醸したことで、その日のNYダウは400ドル超の下げ、ドル/円は一時的にも94円台までの下落となった。
振り返れば、10月3日に米大統領の署名によって成立した米金融安定下法は、最大7000億ドルの公的資金を用意するとし、後に、そのうちの2500億ドルを金融機関への資本注入に充てるとした。さらに、大統領の権限で1000億ドルまでは資本注入に充てる額を増やせるとしたことから、残り3500億ドルは不良資産の買い取りや米住宅公社の救済に充てることとなっていたはずなのだが…。
どうやら、2500億ドル+1000億ドルでは必要な資本注入額が不足することとなった模様。それは当初、資本注入先として想定していなかったノンバンクであるところのアメリカン・エクスプレスが250億ドルの資本注入を要請してきたことなどに因る。これらノンバンクを救わなければ、本当の意味での金融救済、米経済の底割れ回避にはならない。かといって、総枠7000億ドルを増額するためには、また再び議会を通す必要があることから、とりあえず不良資産の買い取りは「後回し」になってしまった
 
ポールソン財務長官の判断は基本的には正しい。不良資産の買い取りと言っても、その買い取り価格をどう定めるかは非常に難しい問題で、実際に買い取りが実施されるまでには相当の時間を要する。何より、公的資金の使い方として「資本注入」が最も経済合理性が高い=最も投入額に対する効果が大きい=最も投入額が少なく済むことは間違いない。その投入対象をノンバンクにまで広げるというのも、米国人の消費生活が多分にノンバンクに依存していることを考えれば妥当である。
 
もちろん、いずれは総枠7000億ドルそのものを増額する必要に迫られることとなるのも事実。加えて、米国の実体経済の悪化に対応するために一段と大掛かりな財政出動を要する場面も出てくる。結果、ますます米国の財政赤字は拡大し、それによって一段とドル不安は強まる可能性がある。しかし、これから必要となる財政資金はすべからく海外からの借金=米国債の増発によって賄われなければならないわけであるから、当面、ドルは強い通貨であらねばならない
オバマ新大統領の誕生により八年ぶりに政権を奪取した米民主党は、かねて「保護主義」で知られる。とはいえ、しばらくはブッシュ政権の「ドル高政策」を踏襲せざるを得ないはずである。そのために、11月15日には世界20ヶ国・地域による緊急首脳会合(=金融サミット)が開かれ、ドル基軸通貨体制の維持に各国が努力することで合意したのだ。
その意味で、巷間言われているほどの円高・ドル安は、当分の間、避けられることとなるのではないか
 
前回の本欄でも指摘したとおり、10月24日のドル/円の安値=90.82円は当面のボトムとなる可能性が高い。
場合によっては、年末に向けて105円台後半を試す動きとなる可能性があることも念頭においておきたい。




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