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田嶋智太郎の一歩先行くFX
その一方で、前回の本欄でも触れたように米国の景況感は見る見る悪化しはじめており、ことに6月分の米住宅関連指標は前月に引き続いて厳しい実情を現わしている。

7月21日、バーナンキFRB議長が議会証言に臨んで発した「異例なほど不確か」という言葉は、足下の低金利状態について「時間軸の延長」を暗示するために意図して使われた言葉であった。同時に、今後のFOMCにおいてFRBが追加の金融緩和に踏み込む可能性を十分に感じさせるものであったし、7月28日に発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)は、そうした見方をさらに強める内容であった。

そうでなくとも、景気対策の息切れ&期限切れが先行きに暗い影を落としているところに、対ユーロでのドル高が米国発欧州向け輸出にとって痛手となっており、米企業が設備投資や雇用に及び腰になっていることが先行き不安を増幅する…。

米エール大学のロバート・シラー教授が「米景気が2番底に陥る可能性は50%以上ある」と語ったことは、いささか衝撃的であった。製造(=生産)と雇用、消費が互いに悪影響を及ぼし合う「負の連鎖」が生じつつあるなかにあって、米国の最大の輸出先となっている中国がソフトランディング路線を歩み始めたことも、もう一つの「負の連鎖」につながる可能性を高めている。

27日、中国人民銀行が発表したマクロ経済情勢分析によれば「中国経済には今後、減速傾向が現れる可能性が比較的高い」。恒例となっていた前期比年率のGDP成長率の公表を見送ったのはなぜなのか?実のところ、中国経済の成長はいまもなお対米を中心とした輸出によって支えられている。よって、米国の消費が落ち込めば、中国の輸出も減少し、中国経済の減速傾向は強まる。

米中が互いに悪影響を及ぼし合うことで、世界経済が2番底へと向かう可能性は高まって行く…。

世界経済が2番底を試すような展開になれば、そこで最も深手を負うのは間違いなく(?)日本である。

なにしろ、輸送用機器を除く日本の輸出は中国の内需に向けたものではなく、基本的に中国の対米輸出産業に向けたもの(部品や素材)。よって、米国の消費が落ち込むことで中国の輸出が減ると、結果的に日本の中国向け輸出が一番減るということになる。

もちろん、対米輸出も減るわけだから日本にとってはダブルパンチ。そこに、リスク回避の消極的な円買いが一時的にも見られれば、それは日本経済にとってトリプルパンチとなることだろう。
その意味で、円を積極的に買い上げる根拠には極めて乏しいとも思われるのだが…。

以上は「学者の言い分」のようでもあり、実際に投資家が胸の内に抱く考えというのは、また別のところにある場合が少なくない。つまり、最終的に日本経済が「沈没」する可能性が高いことはとりあえず横に置いておいて、当面は「円買い・円売りのどちらが儲かるか?」が相場を支配するということだ。

その意味からすると、残念ながら目下のところ円買い・円売りのいずれにも有力な「口実」を見出すことは難しい…。肝心の日米金利差は当面、さして広がりもしなければ縮まりもしない…。

7月30日、ドル/円は年初来安値を更新。このまま昨年11月安値である85円割れの水準まで値を沈めても何ら不思議はない。「もちろん、そのような水準まで下落すれば日本の政府・当局が何らかのアクションを起こすだろう…」と考えると、ここから積極的に円を買い進むのは些か厳しいような気もする

だからこそ、逆に85円近辺になっても何らアクションが起きないようだと、そのまま一気にドル/円の過去の最安値=79.75円を意識する可能性もないではない。頭の片隅には置いておきたい

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田嶋智太郎氏プロフィール
1964年東京都生まれ。 慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。 週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。
自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。 テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータ、フジテレビ「めざましテレビ」、「ほんまでっかニュース」の経済ご意見番などを務める。
田嶋智太郎氏

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